シーティーシー・エスピー(CTCSP)は,プリンタ印刷時に印刷ドットを間引くことでトナー/インク消費を最大で50%抑えるソフトウエアの新版「PretonSaver Ver3.2」を,2008年6月23日に販売/出荷する。Windows環境で利用できる。推奨小売価格は,ユーザー数がもっとも少なく1ユーザーあたりのライセンスがもっとも高くなる50~500人までの場合で,1ユーザーあたり1万1500円(税別)。開発会社はイスラエルPretonで,国内総販売代理店はIDサイエンス。

  なお,国内総販売代理店のIDサイエンスは直販はせず,2次代理店を経由しての販売に限っている。2次代理店は,記事執筆時点ではCTCSPに限られる。IDサイエンスは2008年6月20日に新版の販売/出荷体制を整えた。CTCSPによる販売/出荷は6月23日となる。

 PretonSaverは,印刷業務におけるトナー/インク消費量を抑えるための,印刷関連の運用管理ソフトである。OptPrintingと呼ぶ,印刷画像のドットを間引く手法を採用した。本来であればトナー/インクを消費するはずだったドットを空白にすることで,トナー/インク量を削減できる。ドットを間引く率は,10%から最大50%までの間であらかじめ設定した値となる。さらに,縮小印刷や白黒印刷などといった運用面でのポリシーを強制して印刷を抑制する機能も備える。

 今回の新版では,強制可能な印刷ポリシーを増やしたほか,ネットワーク・プリンタなどのSNMPエージェントをSNMPで情報収集/遠隔管理する機能を付与した。印刷ポリシーでは,両面印刷や白黒印刷の強制,複数ページを1ページにまとめて縮小印刷するN-Up(2Up,4Up,9Up)印刷の強制,などを追加した。また,アプリケーションごとや用紙トレイごとに独立したポリシーを設定/運用できるようにした。

 想定したサンプル・ケースにおいて平均トナー削減率を35%とした際のコスト削減効果の試算は以下の通り。

 クライアントPCが200台,月間稼働日数を20日,白黒レーザー・プリンタでPC1台が1日に印刷する量がA4サイズで25枚(トナー単価は1枚3円),カラー・レーザー・プリンタでPC1台が1日に印刷する量がA4サイズで10枚(トナー単価は1枚12円),とする。ここで,平均トナー削減率を35%と見なすと,年間トナー・コストは936万円から608万4000円へと327万6000円削減できる。

 ここで,PretonSaverの導入と維持にかかるコストを,初年度ライセンス・コストが1万1500円×200台で230万円,年間保守料金が2400円×200台で48万円として考えると,初年度の年間コスト削減額は約50万円に,次年度以降のコスト削減額は約280万円となる。

 ソフトウエアは以下の3つの要素で構成する。

 (1)「PretonSaver client」は,印刷業務を行う個々のクライアントPCや業務サーバー上で動作するモジュールであり,トナー/インクの最適化処理を実行する主体である。つまり,個々のクライアントPCによって印刷イメージの最適化はなされる。

 PretonSaver clientの稼働OSは,Windows 2000,Windows XP。

 (2)「PretonCoordinator」は,プリント・サーバーである。TCP/IP通信環境下でPretonSaver clientから印刷データを受信してスプールし,プリンタに出力する。印刷ポリシーの強制/執行を司るほか,統計レポート機能も備える。

 PretonCoordinatorの稼働OSは,Windows XP Professional,Windows 2000 Server,Windows Server 2003。別途,印刷情報を格納/管理するため,Microsoft SQL ServerまたはSQL Server Express Editionが必要になる。

 (3)PretonControlは,PretonCoordinator向けの管理コンソールである。原則としてPretonCoordinatorと同一のコンピュータ上にインストールする。