カブドットコム証券は2008年6月20日、システムに障害や災害が発生した際も継続して株式や先物などの注文を受け付け可能にする「注文要望精査受付システム」を稼働すると発表した。福岡システムセンターで08年7月から、東京システムセンターで障害や災害が生じたときに利用する。

 注文要望精査受付システムは、東京のシステムに障害や災害が発生した際に災害時専用のWebサイトを立ち上げ、投資家の注文を受け付ける。注文の執行遅延による投資家の損失リスクを回避するのが狙い。同システムで受け付けた注文要望は、同社のSLA(サービスレベル・アグリーメント)制度に従って精査される。

 カブドットコム証券は事業継続計画確立策の一環として、注文要望精査受付システムを構築した。同システムに先駆け、08年4月には東京と福岡の間で顧客データベースのリアルタイムバックアップを実現していた。

 同社は従来、東京システムセンターで障害や災害が発生した際はサポートセンターのオペレータが電話で注文を受け付けていた。しかしインターネット取引が普及するなか、顧客の投資機会の損失や執行遅延を回避することが必要であるとし、注文要望精査受付システムの稼働を決定した。