写真●左からマイクロソフト ビジネス&マーケティング担当執行役常務の佐分利ユージン裕氏、日本総研ソリューションズ製造営業本部の平野保企画担当部長、ファイザーWTIプログラム&プロジェクトマネージメント部の福崎巧部長、マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部の梅田成二本部長
写真●左からマイクロソフト ビジネス&マーケティング担当執行役常務の佐分利ユージン裕氏、日本総研ソリューションズ製造営業本部の平野保企画担当部長、ファイザーWTIプログラム&プロジェクトマネージメント部の福崎巧部長、マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部の梅田成二本部長
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 マイクロソフトは2008年6月18日、携帯機器向けOSの新版「Windows Mobile 6.1日本語版」(WM6.1)に関する説明会を開催した(写真)。「特にセキュリティと管理機能を強化した」(モバイル&エンベデッドデバイス本部の梅田成二本部長)点を売りに、法人市場の拡大を狙う。アップルが7月に発売する「iPhone」など他のスマートフォンへは、「デスクトップ、サーバー、サービス、端末といった構成要素のすべてを自社で提供できるという、我々だけが持つ強みを生かすことで対抗する」(同)。

 WM6.1を最初に搭載予定のスマートフォンは、ウィルコムが6月27日に発売する「WILLCOM 03」。「順調に行けば年内にさらに3~4機種が発売になる」(梅田本部長)。マイクロソフトが提供するサーバー・ソフト「System Center Mobile Device Manager 2008」(SCMDM)と組み合わせることで、セキュリティ機能と管理機能を拡張できる。

 具体的には、端末のインベントリ情報の収集、ソフトウエアの自動配布や利用制御、スマートフォンのActive Directoryドメインへの参加、カメラなどハードウエアの利用制限、インターネットVPNの利用といった機能を追加する。「これまで企業でスマートフォンを利用する際、管理とセキュリティが課題になることが多かった」(ビジネス&マーケティング担当執行役常務の佐分利ユージン氏)というニーズに応えたものだ。

 マイクロソフトはWM6.1とSCMDMを企業に売り込み、「現在Windows Mobile端末の10%が法人契約だが、この比率をもっと増やしたい」(梅田本部長)という。法人営業のパートナー企業として、通信事業者ではウィルコムとソフトバンクモバイル、システムインテグレータでは日本総研ソリューションズと三井情報を紹介した。

 製薬大手のファイザーが、WM6.1を搭載したスマートフォンの国内初の法人ユーザーになることも明らかにした。説明会に登場した同社WTIプログラム&プロジェクトマネージメント部の福崎巧部長は「製薬業はセキュリティに厳しい。導入に当たってはWM6.1の端末管理機能を評価した。2008年度後半に導入する」とWM6.1を選択した決め手を語った。