写真●マイクロアドの代表取締役社長の渡辺健太郎氏
写真●マイクロアドの代表取締役社長の渡辺健太郎氏
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 マイクロアドの代表取締役社長の渡辺健太郎氏(写真)は2008年6月17日,NET Marketing Forum Spring 2008で「進化する広告テクノロジー~『行動ターゲティング』で何が変わるのか~」と題した講演を行った。渡辺社長は,消費者の嗜好(しこう)や行動の多様化が加速するなかで,緻密で効率的なネットマーケティングを行うためには行動ターゲティングは欠かせない存在であると主張した。

 講演冒頭で渡辺氏はまず,ターゲティングの種類について解説。デモグラフィックターゲティング,時間帯ターゲティング,コンテンツターゲティングなど様々なターゲティング手法を挙げ,従来のターゲティングは基本的にデモグラフィック情報に基づいており,視聴者の商品購買ステージなどを考慮していないと定義した。

 そのうえで,渡辺氏は「従来のターゲティング手法で見込み客に接することが難しいケースが増えてきている」と指摘。サッポロビールの「Slims」がダイエットを気にする女性を意識していたものの,その後カロリーを気にする男性からの支持を得てプロモーション全体を男性向けにした具体例などを挙げて,趣味・嗜好の多様化を説明した。

 一方,行動ターゲティングは,従来のターゲティング手法とは全く考え方が異なり,属性情報は一切考えず,何かに興味があるユーザーの行動履歴というファクトベースでターゲティングする手法であるとした。行動ターゲティングの登場によって初めて,細分化,複雑化した市場において獲得の難しい顧客へのリーチが可能になったと説明。行動ターゲティングが消費者を,潜在層から顕在層に引き上げる役割を担っていると語った。

 さらに,企業サイトから離脱した訪問者を追跡し,後日,行動履歴を基に再度広告を配信するリターゲティングの仕組みについても解説。検討段階にあるユーザーに対する継続的な追加アプローチとしてリターゲティングが有効な手段であるとし,「接触層から顧客に引き上げる最後の段階を担うターゲティング手法」(渡辺社長)と語った。