写真●「Opera 9.5」の画面
写真●「Opera 9.5」の画面
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 ノルウェーのOpera Softwareが現地時間の2008年6月12日に正式版を公開した「Opera 9.5」。日本語を含む30以上の言語に対応しており,同社のサイトからWindows用,Mac OS X用,Linux用の各バージョンをダウンロードできる(写真)。その特徴を日本オフィスの広報に聞いた。

 新バージョンでは,Opera同士,あるいは携帯電話用ブラウザ「Opera Mini」との間でブックマークなどを同期する「Opera Link」サービスに対応。また,アドレスバーにキーワードを入力して履歴から過去に見たページを検索する「クイックファインド」を追加した。セキュリティの強化とパフォーマンスの向上を図っている。4月24日にBeta 2を公開している(関連記事)。

正式版の公開が「Firefox 3」のリリース直前になったのは意図的か。

 当社とMozillaがベータ版を公開した時点から,Firefox 3のリリースがOpera 9.5のリリース日に近いだろうと認識していた。意図的にFirefox 3の直前を狙ってリリースしたわけではなく,かねてからの開発計画のもと,1日でも早くエンドユーザーに届けようと努力した結果,12日のリリースとなった。

Opera 9.5が他のブラウザより優位な点は。

 Operaは,パソコンや携帯電話などクロスデバイスに展開している。その利点を生かした「Opera Link」が,他社ブラウザと一番大きく異なる優位点だと考える。国内では「Opera Mini」が普及していないため,パソコン版同士でのブラウザのブックマーク,テキストメモ,スピードダイヤル(サイトにすばやくアクセスできるショートカットの一種)などの連携が,主な利用シーンになるだろう。今後,Opera Linkに対応するデバイスや,連係できる情報が履歴情報やクッキーと増えていくに従って,エンドユーザーにとってのWebの利便性が増していくと考える。

Beta 2版の公開以降,Google Gears対応とセキュリティ機能の追加を発表しているが。

 今回配布を開始したOpera 9.5は,まだGearsに対応しておらず,今後対応する予定だ。Gearsのサポートで,ユーザーがオフラインにいるときにもWebアプリケーションをOpera上で利用することが可能になる。Gearsをサポートすることで,飛行機や地下鉄などのオフライン環境でRSSリーダーを閲覧したり,Webアプリケーション・タイプのオフィス・ツールで作業を継続したりでき,ブラウザの利用シーンが広がることが大きなメリットになると考えている。

 また米Haute Secureによるマルウエア・サイトの検知機能により,搭載済みのフィッシング詐欺サイトを検知する機能と併せて,エンドユーザーにより安全なブラウジング環境を提供する。これらの機能はデフォルトで有効になっており,Opera 9.5で閲覧するすべてのページは判定の後に表示される。エンドユーザーはブラウザ上でのセキュリティが意識することなく守られることになる。

Opera 9.5モバイル版の一般向けベータ公開はいつ頃の予定か。

 残念ながら未定だ。いましばらくお待ちいただければと思う。