写真●NTTデータシステムズの山田堅二常務(左)とフジスタッフの増山郁夫常務(右)
写真●NTTデータシステムズの山田堅二常務(左)とフジスタッフの増山郁夫常務(右)
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 NTTデータの子会社であるNTTデータシステムズは2008年6月16日、人材派遣のフジスタッフと共同出資でITエンジニア派遣の専門会社を設立すると発表した。新会社の名称は「NTTデータキャリアウェイ」で事業開始日は8月1日。新会社の社長は未定。事業開始後3年で「20億円の売上高を目指す」(NTTデータシステムズの山田堅二常務)計画だ(写真)。

 NTTデータシステムズの山田常務は、「ITエンジニアの派遣は現状、プログラマやヘルプデスクの担当者が中心。新会社では、要件定義や基本設計といった上流工程を統括するエンジニアやプロジェクトマネジャを加え、幅広い技術者を派遣していく」と事業の概要を説明した。

 新会社の資本金は2億2500万円。出資比率はNTTデータシステムズが51%、フジスタッフが49%。NTTデータシステムズの山田常務は「我々はシステム構築ビジネスに精通しているが、派遣事業のノウハウはない。両社の強みを融合することで、派遣登録したスタッフを大切にする企業にしていきたい」と話す。

 新会社に派遣登録したスタッフは、NTTデータグループの研修機関であるNTTデータユニバーシティの講座が受講できる。ITスキル標準(ITSS)に基づいたITスキル診断を原則、全員受講し「NTTデータシステムズが持つ職能制度などと比較しながら、派遣先の決定などを実施する」(山田常務)という。

 今回の新会社設立は「NTTデータからフジスタッフに持ちかけたもの」(山田常務)。NTTデータ自身ではなく、子会社のNTTデータシステムズを通じて派遣会社を設立した理由について山田常務は、「NTTデータが得意なのは大規模な案件。これに対して、NTTデータシステムズは中規模で、ユーザー企業に密着してシステム構築を支援する案件が得意。派遣事業は後者になじむと考えている」と説明した。

 登録だけではなく、実際に派遣が可能なスタッフを初年度は50~60人、3年後には350人、抱える計画だ。フジスタッフの増山郁夫常務は「すでに当社は約2000人のIT技術者と契約を結んでいる。すでに当社に登録している技術者に対して、新会社への登録を促したい」と強調した。