写真1●新会社「DPC」が提供するサービスの概念図
写真1●新会社「DPC」が提供するサービスの概念図
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 NTTドコモは2008年6月16日,印刷物などに組み込んだ圧縮情報を読み取る技術および関連システムの企画を行うグリッドマークと資本提携し,合弁会社を設立すると発表した。印刷物と携帯電話の融合を深める次世代型の各種サービスを提案することで,携帯電話ビジネスにおける新たな市場の開拓を目指す。

 6月18日に設立する新会社の名称は「DPC(ディーピーシ)」。資本金および資本準備金の合計は4億7500万円で,NTTドコモが63.2%,残りをグリッドマークが出資する。社長はドコモから出し,年内の営業開始を目指している。

 新会社設立に先立ち,ドコモは6月16日付でグリッドマークが実施する第三者割当増資を引き受け,グリッドマークの発行済み株式総数の8.9%を約3億円で取得。新会社設立に伴う出資金を含めると,ドコモは総額で約6億円の投資を行うことになる。

 次世代情報読み取り技術の「ドットコード」は,「見えないバーコード」として発明された技術。印刷物に掲載される写真などに情報を付加することができ,「QRコード」に比べて,より簡単な操作で印刷物と携帯電話サービスを連携させた仕組みを構築できるのが特徴。例えば,通販サイトで商品注文をする場合,QRコードでは注文ページを表示するだけにとどまるが,ドットコードでは当該商品のイメージを専用リーダーでスキャニングするだけで,個数選択などを含めた商品注文ができるという。

 ほかにも,英会話教材に動画情報へリンクするドットコードを掲載したりカードゲームに活用するなど,教育や娯楽ジャンルでの活用も想定している。

 当初のビジネスモデルは,通販カタログ会社にドットコードを読み取るスキャナーを販売するなどのBtoBtoCのモデルを想定している。将来的には,「(高齢者向け携帯電話の)らくらくホンなどのようにどんな人でも簡単に操作できるサービスの充実」(広報部)につなげ,ドコモ・ユーザーの継続利用増加を図りたい考えだ。