生産・販売管理など製造業向けソフト開発を手がけるアクロックスは6月16日、低価格なレガシー・マイグレーション・サービスの提供を開始した。「変換ツールで100%自動変換することで人件費を抑え、料金は市場価格より3分の1から半額ですむ」と関敏夫マイグレーション事業部長は説明する。対象とする移行元のハードはIBM、NEC、東芝、日立製作所、富士通、三菱電機、ユニシス。言語はCOBOL、PL/Iなど。

 レガシー・マイグレーションはメインフレームやオフコンで動作するアプリケーションを、ツールなどを用いてそのままオープン系ハードに移行すること。一般に、既存のアプリケーション構造を分析した後、その結果を変換して移行先のハードで動作可能にする。

 通常のレガシー・マイグレーション・サービスでは、アプリケーションを100%自動で変換することは事実上不可能といわれていた。しかし関事業部長は「変換しにくいのは、移行元のOSに依存する部分。移行元のOSをよく知る者がその部分の変換方法を設定すれば完全自動変換は可能」と言い切る。同社では、それぞれのハード/OSに精通した専任の担当者である「コンバージョンアーキテクト」を用意した。アプリケーション分析にはトラウムマイスター製「S-AID」、変換にはISD研究所の「UGEN-I」を使う。

 完全自動変換のほか、アプリケーション分析を実施する前に、テスト仕様書を作成することも特徴。「何ができたら移行完了かを事前に顧客と合意しておくことで、テスト工程の工数を削減する」(関事業部長)。分析や変換など、作業が終わるたびに成果物を顧客に提示する。同事業で今年度1.3億円、3年後には年間3.6億円の売り上げを目指す。