写真●米ベライゾン・ビジネスのジョン・ドハティ氏(戦略および財務担当バイスプレジデント)
写真●米ベライゾン・ビジネスのジョン・ドハティ氏(戦略および財務担当バイスプレジデント)
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 米ベライゾン・ビジネスで戦略および財務担当バイスプレジデントを務めるジョン・ドハティ氏は2008年6月13日,「Interop Tokyo 2008」で「通信の新たな時代に向けて~最新グローバルソリューション」と題する基調講演を行った。ベライゾン・コミュニケーションズの紹介が中心であった。

 固定通信は最大30Mビット/秒のFTTHサービスを「FiOS」(ファイオス)のブランド名で提供しており,「まもなく100Mビット/秒にも対応する予定である」(ドハティ氏)。

 移動通信(ベライゾン・ワイヤレス)は,6月5日に携帯電話事業者のオールテル買収を発表。買収が実現すれば顧客ベースが約8000万人になり,AT&Tモビリティを抜いて米国のシェア1位になる。3月には700MHz帯のCブロックの落札(関連記事)に成功し,「帯域を十分確保した」(同)。第3.9世代携帯電話のLTE(long term evolution),4G(第4世代携帯電話)の展開に向けて着々と準備を進めている。

 企業向け(ベライゾン・ビジネス)は6大陸150カ国でビジネスを展開しており,7万社の顧客を抱える。2007年にはセキュリティ大手の米サイバートラストを買収し,「実は世界最大のマネージド・セキュリティ・サービスのプロバイダである」(同)とアピールした。ネットワークだけでなく,ID管理,ITガバナンスまで広範囲にカバーできるようになった。光海底ケーブルの敷設にも取り組んでおり,米国と中国を結んだ「Trans-Pacific Express」(TPS,関連記事)が「北京オリンピック直前の7月に立ち上がる予定。既存回線の60倍の容量があり,6200万回線の通話が可能になる」(同)という。

 このほか,環境保護への取り組みなども紹介し,講演自体は25分程度で終了。残り時間で来場者の質問を受けた。主な質疑応答は以下の通り。

IPv4からIPv6への移行はどのように考えているか。

 担当外になるので正式な回答はできないが,検討はしている。

FiOSの契約数は。

 2008年3月末時点の数字になるが,ブロードバンド・サービスの「FiOS Internet」が約180万人,TVサービスの『FiOS TV』は約120万人だ。サービスの開始から順調に伸びており,シェアの3分の1を獲得できるとみている。

モバイルWiMAXに対してはどのように考えているのか。

 全社的な正式回答は発表していないが,アナリストからの同じ質問に対して「心配しないようにしている」と回答したことがある。我々はLTEと4Gへの取り組みを発表しており,これこそが我々の戦略と考えている。

BTのように固定電話網をフルIP化する計画はあるか。

 BTの動きは興味深くみている。フルIP化の方向に進むのは間違いないが,現状は(レガシー系とIP系の)両方をサポートしている。市場の動きに任せながら自然に移行していくことになるだろう。