【Interop Tokyo】「通信機器メーカーはコスト低減の努力を」，Award審査委員長のIRI藤原所長

写真1●インターネット総合研究所の藤原洋所長

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写真2●「Best of Show Award 2008」受賞式の様子

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　幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2008」では，約300の出展社がネットワーク関連のさまざまな製品やサービスを展示している。2008年6月12日には，その中から今回のテーマである「覚醒するインターネット」に見合った製品やサービスを表彰する「Best of Show Award 2008」の受賞式が開催された。

　同アワードでは，8部門・計33の製品やサービス，デモンストレーションがIT業界有識者による審査や来場者の投票によって選ばれた（結果は記事末の表を参照）。

　今回，審査委員長を務めたインターネット総合研究所（IRI）の藤原洋所長に，審査過程で見えてきた製品やサービスにおける特徴，日本の通信業界における課題などを聞いた。

アワードを通じて感じた全体的な印象は。

　プロダクト部門においては，IT業界が環境問題を意識し始めたという印象を受けた。製品の性能ばかりを追いかけるのではなく，“燃費のいいネットワーク技術”も必要であり，それを業界全体が追及するという流れだ。

　ソリューション＆サービス部門では，据え置き型コンピュータ中心の時代から携帯電話端末が欠かせない時代に移りつつあるということが分かる。顕著なのは携帯電話を入り口として，さまざまなネットワークとつながるトータル・ソリューション。携帯電話のネットワークを含めたネットワークのブロードバンド化が，この流れを後押ししている。

日本特有の強みという面では何が挙げられるか。

　Interopの歴史でもある「回線交換からIPへの移行」というネットワーク技術のパラダイムシフトにおいては，日本全体が通信の先進諸国に後れを取ってきた。しかし，日本はモバイルとブロードバンドのIP網で先進的な取り組みを行い，諸外国から頭一つ抜きん出ている。

　モバイルと超高速の光ソリューションでは国際競争力もあると感じており，このことは日本の通信業界全体における一筋の光であると言えるのではないだろうか。

課題もあると感じたはずだ。

　コストが高いことだ。いい技術は値段を安くしなければ普及せず，国際競争力も付かない。日本では家電メーカーなどが海外で揉まれてきた経験を積んでいるため，この点において強い。しかし，通信機器メーカーは国内市場に安住してきた感がある。

　これからの国内通信業界は，国際競争力を常に意識して海外に目を向けなければならない。そうしないと，結果としてコストも下がらず，いつまでたっても海外を主要舞台とした活躍が望めないだろう。