写真●Portable Modular Data Center(PMDC)
写真●Portable Modular Data Center(PMDC)
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 米IBMは米国時間2008年6月11日,ITシステムの省エネルギー化につながる具体的な製品として,モジュラ構成でエネルギー効率の高いデータセンター・システム「IBM Modular Data Center」と,ストレージ仮想化ソフトウエアの最新版「IBM SAN Volume Controller(SVC)4.3」を発表した。

 Modular Data Centerは同社の既存データセンター・システムを小型化しており,柔軟な導入が可能で,消費エネルギーを最大50%削減できるという。「Enterprise Modular Data Center(EMDC)」「Portable Modular Data Center(PMDC)」「High Density Zone(HDZ)」という3種類のシステムの提供を全世界で開始した。

 EMDCは,5000~2万平方フィート(約465~1858平方メートル)規模の大企業向けデータセンターを小型化/標準化したモジュールの組み合わせで構築する。専用設計のデータセンターを作る場合に比べ,3~6カ月早い運用開始が可能という。運用しながら規模を拡大していける。同社は設備投資を最大40%,運用コストを最大50%減らせるとしている。

 PMDCは,電源/冷却用の装置を搭載し,遠隔監視を備えるコンテナ状のモジュールでデータセンター機能を実現するシステム。環境を選ばず設置可能で,業界標準ラックにさまざまなベンダーの機器を格納できる。

 HDZは,増設の難しい既存データセンターに電源/冷却システムを追加し,処理性能の向上を図る。データセンターを運用したまま追加でき,最大35%のコスト削減効果が得られるという。

 SVC 4.3は,SAN環境におけるストレージ・システムを仮想化して一元化するソフトウエア。同社製と他社製のストレージ装置を組み合わせて運用できる。ストレージ・システムの柔軟かつ効率的な利用が可能となり,必要なストレージ装置の台数を減らすことでデータセンターの消費エネルギー削減が期待できる。6月27日にダウンロード提供を開始する。既存ユーザーは無償でアップグレード可能。

 さらに,同社は省エネルギーを目的とする新サービス「IBM Server Optimization&Integration Services for VMware server virtualization」「IBM Storage Optimization and Integration Services for process excellence」「IBM Softek z/OS Dataset Mobility Facility(zDMF)」と,融資制度「IBM Global Financing」も発表した。

[発表資料(Modular Data Centerなど)] [発表資料(SVC 4.3)]