写真1●機能を絞り込んだシンプルな携帯電話「H11HW」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ製)
写真1●機能を絞り込んだシンプルな携帯電話「H11HW」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ製)
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写真2●テンキーで操作するタイプのスマートフォン「EMONSTER lite (S12HT)」
写真2●テンキーで操作するタイプのスマートフォン「EMONSTER lite (S12HT)」
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写真3●イー・モバイルの千本倖生代表取締役会長兼CEO
写真3●イー・モバイルの千本倖生代表取締役会長兼CEO
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写真4●左から中国ファーウェイ・テクノロジーズのアレックス・ジャン アジア・パシフィック地域端末部門担当プレジデント,イー・モバイルのエリック・ガン代表取締役社長兼COO,HTC Nipponのデビッド・コウ代表取締役社長
写真4●左から中国ファーウェイ・テクノロジーズのアレックス・ジャン アジア・パシフィック地域端末部門担当プレジデント,イー・モバイルのエリック・ガン代表取締役社長兼COO,HTC Nipponのデビッド・コウ代表取締役社長
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 イー・モバイルは2008年6月10日,携帯電話の音声端末を2機種を発表した。内訳は,機能を絞り込んで価格を抑えた「H11HW」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ製,写真1)と,片手で操作できるWindows Mobile 6搭載のスマートフォン「EMONSTER lite S12HT」(台湾HTC製,写真2)。いずれも3.6Mビット/秒のHSDPAに対応し,パソコンと接続してモデムとして利用することもできる。H11HWは6月14日から,S12HTは7月下旬から発売開始する。

 会見にて同社の千本倖生代表取締役会長兼CEO(写真3)は「最近のケータイの世界的な流れは二つある。一つは機能を絞ったシンプルなケータイに魅力的な料金プランを組み合わせる流れ。もう一つは,音声が一つのアプリケーションとなるいわゆるスマートフォン」と解説。今回発表した2機種が,世界的なトレンドに沿ったラインアップであると強調した。

 また千本会長は「中国の技術力は非常に高い。個人的にはファーウェイの技術力は今後数年でスウェーデンのエリクソンを抜くと思う」と語った。今回中国と台湾のメーカーが開発した端末をそろえたことについて,「歴史を変える陣容になった」(同,写真4)とした。

 シンプルさを追求したH11HWは,音声通話とデータ通信機能のほか,カメラ機能,音楽・動画再生機能,テレビ電話機能を備える。端末価格は,2年の継続契約を条件とする「新にねん」加入の場合が5980円で,毎月の割賦請求分はない。なお新にねんに加入しない場合の端末費用は2万9980円となる。

 スマートフォンタイプのEMONSTER lite S12HTは,フルキーボードを採用せず,テンキーとタッチパネルで操作するタイプ。NTTドコモが6月から販売する同じHTC製の「HT1100」と概観はほぼ同じだ(関連記事)。発表会場の端末はモックアップであり,メニュー画面などの操作はできなかった。端末の一時払い金は未定で,後日発表するとしている。

 また新サービスとして,7月1日からイー・モバイルの携帯電話から海外へ通話可能な「イー・モバイル国際電話」を開始する。これまでは国際通話に対応していなかった。通話可能な地域は,米国,中国,フィリピンなど57カ国。通話料は米国や中国向けが,1分36円となっている。

iPhoneだけが新しいのではないとアップルに対抗意識も


 会見では,同日に米アップルが発表したiPhone 3G(関連記事)を意識した発言も出た。千本会長は「iPhoneだけが新しいのではない。タッチ・スクリーンもiPhoneだけの独壇場ではない。我々はある意味iPhoneと競争をしていかなければならない」と対抗意識を見せた。特に千本会長は,アップルと通信事業者が収益をシェアするレベニュー・シェア型について「通信事業者にとって共存しがたいモデル」とし,こうした事業の進め方に疑問を呈した。

 なお同日米AT&Tが発表したリリースによると,アップルとAT&Tの間でiPhoneによるレベニュー・シェアを終了することが明らかになっている(関連記事)。この点を踏まえて,改めてイー・モバイルからiPhoneが出る可能性があるかを聞いたが,千本会長は「ノーコメント」とした。

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