写真1●セガが開発したiPhone用3Dアクション・ゲーム。9.99ドルで販売する
写真1●セガが開発したiPhone用3Dアクション・ゲーム。9.99ドルで販売する
[画像のクリックで拡大表示]
 
写真2●日本語や中国語など多言語の入力に対応したiPhone 2.0ソフトウエア
写真2●日本語や中国語など多言語の入力に対応したiPhone 2.0ソフトウエア
[画像のクリックで拡大表示]

 米Appleは2008年6月9日(米国時間),米国サンフランシスコで開幕した開発者会議「WWDC」でサード・パーティ製アプリケーションなどが動作できる新ファームウエア「iPhone 2.0ソフトウエア」の詳細を公開すると共に,医療用アプリケーションや3Dゲーム(写真1)などサード・パーティが開発したiPhone用アプリケーションを公開した。

 iPhone 2.0ソフトウエアは,7月11日に全世界で発売される「3G iPhone」に標準で搭載されるほか,7月からは既存のiPhoneユーザーは無償,「iPod touch」のユーザーは9.95ドルで入手できる。コンタクト・リスト(電話帳)の検索が可能になるほか,Appleのオフィス・ソフト「iWork」に含まれる「Numbers」や「Keynote」,「Microsoft Office」の「Word」「Excel」「PowerPoint」といった文書ファイルが閲覧可能になる。また,日本語入力や中国語入力などにも対応する(写真2)。

 iPhone 2.0ソフトウエアの最大の特徴は,iPhone上でサード・パーティ製のネイティブ・アプリケーションが利用可能になることだ。

 iPhoneにサード・パーティ製アプリケーションをインストールする方法としては,(1)Appleのソフトウエア販売システム「App Store」を使用する,(2)企業内で使用するアプリケーションをiTunesによって配布する,(3)教育機関などを対象に最大100台のiPhoneに対してアプリケーションをその都度(Ad Hoc)配布する--というものがある。

 一般のユーザーは,(1)のApp Storeを利用してアプリケーションを入手することになる。App Storeでは最大10Mバイトまでのアプリケーションが販売,配布可能。サード・パーティが無料ソフトウエアを配布する場合は,App Storeを無償で利用できる。有料ソフトウエアを販売する場合は,売り上げの30%をAppleに支払う必要がある。WWDCの基調講演では,サード・パーティが開発したアプリケーションが複数紹介されている。

Open GL ESに対応するため3Dアプリケーションの開発が容易

 冒頭の写真1は,セガが2週間で開発したという「Super Monkey Ball」という3Dアクション・ゲーム。iPhoneに搭載されている加速度センサーを利用し,本体を傾けるなどして,ボールをゴールに誘導する。iPhoneは「OpenGL ES」に対応していることから,3Dゲームを開発したり,他プラットフォームから移植したりすることが容易だという。

 3Dゲームに関してはスペインDigital Legends Entertainmentもアクション・ゲームを披露した。同社はiPhone用の開発ツール「iPhone SDK」を,WWDCのわずか2週間前に入手したばかりだが,既存の3Dゲームをわずか2週間で移植できたと指摘する。