[画像のクリックで拡大表示]

 米IBMは,米ロスアラモス国立研究所に納入したスーパーコンピュータ「Roadrunner」で最大演算速度1ペタFLOPS超を達成した。演算速度は,DOEローレンス・リバモア国立研究所にある現時点で世界最高速の「IBM Blue Gene」より2倍速いという。

 IBMは2006年に米エネルギー省(DOE)国家核安全保障管理局(NNSA)からRoadrunnerの開発/構築契約を獲得し,約1億ドルかけて完成させた(関連記事:IBM,世界初「Cell BE」ベースのスパコンを開発へ)。「Cell Broadband Engine(BE)」プロセサ1万2960個とデュアルコア版「AMD Opteron」プロセサ6948個を組み合わせたアーキテクチャを採用し,市販パーツで構成している。

 記憶容量80Tバイトのメモリーを搭載する。1万カ所の接続部はInfiniBandとGigabit Ethernetで結び,接続用光ファイバの総延長は57マイル(約92km)ある。OSは米Red HatのLinux。設置面積は6000平方フィート(約557平方メートル),重量は50万ポンド(約227トン)。

 総消費電力は3.9Mワットで,消費電力1ワット当たりの演算速度は376メガFLOPSとなる。IBMは,2008年6月に発表されるスーパーコンピュータを対象とする消費電力当たりの処理性能ランキング「Green500」で,Roadrunnerが上位に入ると見込む(関連記事:【SC07】スパコンの電力性能を競う「Green500」、IBMが上位占め105位に日立)。

 当初,Roadrunnerは米国の核兵器備蓄の安全性/信頼性確保につながる研究に使う。その後,天文学,エネルギー分野,ヒト遺伝子科学,気象変動の研究で利用する。

[発表資料へ]