写真1●マリッサ・メイヤー検索製品および利便性向上担当副社長 [画像のクリックで拡大表示] |
同社の検索トップページといえば,空白が多いのが特徴である。この画面は「検索機能に注力し,シンプルさを重視している」(メイヤー副社長)という同社の姿勢を表しているという。実は,サーゲイ・ブリン共同創設者兼技術部門担当社長が検索ページを作成したとき,Webマスターがいなかったため,このようなデザインになったのが真相だという。しかし,次第に「検索機能に注力していることを示すアイコン」として定着した。
同社の核となる検索のプロセスにおいては,サーバー負荷分散装置,広告情報を追加するミキサー,Webサーバー,検索サーバーなど700~1000台のサーバーを経由するという(写真2)。「複雑で,洗練された技術を使い,0.1秒前後の短い時間で結果を出す」(メイヤー副社長)。
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現状ではモバイル機器への対応を積極的に進めている。さまざまな携帯電話で,Gmail,地図,ニュースといった情報が表示できるように対応を進めていく。iPhoneについても「日本で投入されることを知っている」と前置きし,Gmailや地図サービスのほか機能を増やしていくことを示唆した(写真3)。
同社は,一つの検索キーワードを入力するだけで,画像や動画などさまざまなコンテンツを同時に表示するユニバーサル検索を提供している。検索時に言語を選ぶと,海外のサイトも同時に検索できる翻訳機能もある。特定の言語に範囲を限定するのでなく,世界中のWebページから適切な情報を検索できる状況を目指す。
携帯向け検索での課題はサイトのクロール手法
日本法人のエンジニアによる国内の携帯電話向けサービスの説明もあった。HSDPA(high speed downlink packet access)など高速な通信システムが普及している日本は「携帯電話経由でGoogleの検索を利用する比率が,世界の中で一番多い」(岸本豪 モバイル担当プロダクトマネージャー)という。
写真4●携帯電話とパソコンでトラフィックを比較すると,ピークの時間帯が異なる [画像のクリックで拡大表示] |
携帯電話向けの検索サービスで,当面の課題となるのはサイトのクロール手法。自動的に携帯電話向けサイトをクロールしようとすると「パソコン用サイトはこちら」といった画面が出てしまうことがあり,検索用のデータを構築しづらい場合があるという。また,一部の携帯電話のブラウザーでクッキーが使えない,サイト内に絵文字が入っているといった独自仕様への対応も進め,より快適に利用できるサービスを目指す。