テレビ朝日は2008年6月6日,朝日新聞社の株式38万株(保有比率11.88%)を239億4000万円で取得したと発表した。朝日グループ間の連携を強化し,放送事業と新聞事業のシナジー効果を高めることで,「厳しさを増すメディア間競争を勝ち抜く」(テレビ朝日)のが目的である(発表資料)。

 テレビ朝日と朝日新聞は今後,第三者との提携も視野に入れ,新たなメディア環境に対応したクロスメディアの新戦略を推進する。また,協議機関として両社の社長を共同委員長とする「提携推進委員会」を設置し,両社の関係役員などを委員に任命して,提携事業の大きな方向性を決める体制を作る。推進委員会で決まった方針についてはプロジェクトごとにワーキンググループ(WG)を設置し,具体的な検討を行う。

 なお,朝日新聞が保有するテレビ朝日の株式35.92%(子会社である衛星チャンネル保有分を含む)については,保有比率を25%未満に引き下げる。この結果,2009年以降の朝日新聞の株主総会で,テレビ朝日が議決権を行使できるようになる見通しである。