米マサチューセッツ州ケンブリッジ市のハーバード・スクエアにある商業組合Harvard Square Business Association(HSBA)は米国時間2008年6月6日,同地区で公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスの無償提供を始めたと発表した。

 HSBAのメンバー企業がケンブリッジ市およびハーバード大学と協力し,アクセス・ポイント35台からなるWi-Fi方式のメッシュ・ネットワークを構築した。ハーバード・スクエア内の1平方マイル(約2.6平方km)で無線インターネット接続が利用できる。今後,必要に応じてアクセス・ポイントを増やしていく予定。

 アクセス・ポイントの設置は米Anaptyxが担当した。無線ルーターは,カリフォルニア州サンフランシスコの公衆無線LANプロジェクトなどで実績のある米Merakiの製品を使った。

 米メディア(InfoWorld)によると,同地区の無線LANサービスは誰でも利用可能で,事前登録も必要なく,12時間ごとに接続し直せばよい。通信速度は下りが2Mbps,上りが1Mbpsで,ビデオ・ストリーミングとファイル共有は行えない設定という。サービス立ち上げにかかった機材とDSL回線のコストは2万ドル弱で,アクセス・ポイント1台当たりの電気料金は年額20ドル未満と見込む。

 なお,欧米では各地で広域Wi-Fiサービスが計画されたものの,現在そのほとんどが失敗に終わっている(関連記事:失敗続きの広域Wi-Fi計画,オープン化こそ成功への道米国で“街全体をカバーする無線LAN”の失敗相次ぐ,シカゴ市は計画を無期延期)。

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