米Microsoftは米国時間2008年6月4日,Windows XPの使用を継続している多くの企業向けにWindows Vistaに関する調査結果をまとめた白書を発表した。この白書は,Vistaへの移行促進を狙ったもの。その中で,同社はVistaがより安全で信頼性が高く,導入と管理コストを削減できるOSだと主張している。

 調査により,Vistaを導入している企業ではIT関連作業とコストの削減やユーザーの生産性向上に明確な効果が見られたという。Vistaによりスパイウエア,ウイルスやセキュリティ脅威に対するリスクを軽減できるほか,高いデータ保護機能で企業の評判の保護やコンプライアンスへの対応もサポートできると説明している。

 現時点で企業にVistaへの移行を勧める理由として,発売1年目に1億件以上のライセンスが販売されており,普及速度はXPを上回っていることを挙げている。また,99%の主要アプリケーションが互換性を持ち,テストではいくつかの一般的なビジネス・オペレーションにおいてService Pack 1を適用したVistaの方がXPよりも応答性が高かったとしている。

 セキュリティについては,XPが発売後1年間でセキュリティ・アップデートが26回リリースされたのに対し,VistaはMicorosftが月例パッチ・リリースを開始したりVistaのぜい弱性が減ったことを受け,初年度のアップデートのリリース回数は9回にとどまったとしている。ぜい弱性の数は,Vista発売後1年間に修正されたものが36件だったのに対してXPは68件だった。

 コスト面では,XPを搭載するモバイル・パソコンと比べて1台当たりの所有総費用(TCO)を年間251ドル削減できるほか,2500台のパソコンを活用している企業では,Vistaの電力管理機能を導入することで年間3万8300ドルのエネルギ節約につながるとしている。

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