米IBMで中堅・中小向けサービスを統括する、スティーブン・ソラッゾ ゼネラル・マネジャー
米IBMで中堅・中小向けサービスを統括する、スティーブン・ソラッゾ ゼネラル・マネジャー
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 「IBMは大企業しか相手にしないというイメージを払拭する」。米IBMで中堅・中小向けサービスを統括する、スティーブン・ソラッゾ ゼネラル・マネジャーは2008年6月4日、同市場への取り組みを説明するプレス向けラウンドテーブルでこう宣言した。「従業員1000人以下の中堅・中小企業は重要な顧客セグメント。今年は新規開拓をいっそう強化する」。

 米IBMは今年1月にサービス部門の体制を一新。これまで大手企業と一緒だった組織から、中堅・中小企業の専任部隊を明確に分離した。「限られたシステム要員しかいない中堅企業は、大手企業と要求が異なる。より顧客の要求に応えられるよう、支援体制を変更した」(ソラッゾ ゼネラル・マネジャー)。

 組織体制以外では、導入や管理を容易にしたハード、ミドルウエア製品群である「Express Advantage」シリーズを拡充した。マーケティング費用に1億5000万ドルを用意した。

 国内では、中堅攻略の主要ルートである販売パートナーへの支援策を強化し始めた。例えば、自社内にデモ環境を持ち、IBMの認定資格者が2人以上いる「バリューパートナー」の営業・技術職を対象に、IBM製ブレード・サーバー「BladeCenter」の販売支援を打ち出した。「BladeCenter」の提案書や見積書、資料をIBMが用意する。加えて、同製品を使ってサーバー統合を実施した場合にどれほどコスト削減効果を期待できるかをシミュレーションして提示するようにした。

 このほか4月からはIBMとIBM製品の販売パートナー、独立系ソフトベンダーが共同でソリューション・メニューを開発するための会議体「ビジネス・プランニング・ワークショップ」を開始した。販売パートナーがセミナーを開催した際に、必要になるデモ機や講師などを融通する「Seminar in a Box」の提供を始めた。

 昨年5月からは、中堅・中小企業専用の相談窓口「コンシェルジュ」を用意した。顧客の課題を聞いたIBMの担当者が回答し、適切な販売パートナーを紹介する。この1年間で、問い合わせ件数は月に300~400件、回答に対する顧客満足度は年平均で96%という。