マイクロソフトは2008年6月4日，デザイナ向け開発ツールの新版「Expression Studio 2」を2008年7月に出荷開始すると発表した。同社のWindows XP/Vistaで利用できる画面描画機構「WPF（Windows Presentation Foundation）」や，RIA（Rich Internet/Interactive Application）プラットフォーム「Silverlight 2」に対応したアプリケーションを構築できる。Webの標準仕様に準拠したサイトのオーサリングを行うツールも併せてスイート・パッケージ化した。ボリューム・ライセンスの販売開始は7月1日，製品パッケージの出荷開始は7月18日を予定している。

　スイート・パッケージは以下の5製品で構成する。(1)WPFアプリケーションやSilverilghtアプリケーションのオーサリング・ツール「Expression Blend 2」，(2)XHTML（Extensible Hypertext Markup Language）とCSS（Cascading Style Sheets）を使った標準的なWebサイトのオーサリング・ツール「Expression Web 2」，(3)ベクトル・グラフィックス・ツール「Expression Design 2」，(4)画像やビデオなどのデジタル資産を管理するツール「Expression Media 2」，(5)Silverlightアプリケーションへの動画配信に最適化されたビデオ・エンコーダ「Experssion Encoder 2」である。Expression Design 2を除く4製品はそれぞれ単体の製品としても販売する。バージョン2での大きな強化点は，Silverlightへの対応，PHPへの対応など。

　バージョン2では，Expression製品群での開発に必要な周辺ソフトウエア群までを包括的に提供するパッケージ「Expression Subscription」も販売する。購入者には，スイート・パッケージに含まれる5製品に加え，OS（Operating System）として「Windows XP Professional」と「Windows Vista Business」の2製品，アプリケーションとして「Office Standard 2007」「Visio Professional 2007」，およびMac OS Xで動作する仮想マシン・ソフト「Parallels Desktop for Mac」の3製品を提供する。

　いずれもオープン価格。マイクロソフトが公表している参考価格は，Expression Studio 2の通常版が8万7800円（税別。以下同じ），旧版や単体パッケージ，Visual Studio製品群，競合製品のユーザーが購入できるアップグレード版が4万3800円，教員や学生が購入できるアカデミック版が1万7800円。Expression Subscriptionは通常版のみで13万8000円。