写真1 Atom搭載ボード「D945GCLF」
写真1 Atom搭載ボード「D945GCLF」
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写真2 HDBENCHの結果
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 米Intel社の省電力CPU「Atom」を搭載する同社製のマザー・ボード「D945GCLF」を入手したので,速度と消費電力を計測してみた。

 写真1は,マザーボードとその付属品である。チップセットの冷却のために高々と伸びたヒートシンクの上にファンが搭載されている。隣にあるヒートシンクがCPUである。省電力でそれなりのパワーがあれば,サーバー・マシンとして非常に重宝する。

 早速,Linuxを導入してみることにした。Linuxディストリビューションには,Fedoraの最新であるFedora 9を導入する予定であったが,インストーラがoopsメッセージを吐いて停止してしまうため,仕方なく1つ前のFedora 8を導入した。

 ただしFedora 8でも,カーネル2.6.24を使うと,Fedora 9と同じように導入時に停止してしまう。そのため,Fedora 8のカーネルは,Fedoraで配布しているカーネル2.6.24.7にパッチを適用した。Fedora 9の場合は,カーネル2.6.25.3にパッチを適用すると成功する。

 ベンチマーク・テストには,Windows系のパフォーマンス指標でも使われているHDBENCH cloneを使用した。

 結果は写真2の通りである。

 パフォーマンス的に近いCPUとしては,低価格ノートPC「EeePC」などに使われているCeleron-Mだろう。Atomは動作周波数1.6GHZだが,速度の割にはあまりパフォーマンスが高いわけではなさそうである。今回は他のCPUとの比較はしていないが,ネット上に公開されているHDBENCHの情報によると,EeePCで使われているCeleron-M 900MHzより速く,Celeron220よりは遅いということになる。

 AtomにはHyper Threadingテクノロジ(HT)が搭載されているので,HTを有効にして少しでも効率を高めてCPUを使うようにすると良いだろう。

 次に消費電力を測定してみた。今回D945GCLFと2Gバイトのメモリー,日立製作所の500Gディスクを搭載して,ワット・チェッカーを用いて消費電力を計測した。光学ドライブは未搭載だ。

 電源投入直後は,ディスクやチップセット・ファンなどを回すために一時的に50W近くまで電力を消費する。しかし,Fedora8が起動した後はCPU使用率の高い低いにかかわらず32W~35W止まりだった。カタログ・スペックによると,Atomだけなら4W。消費電力の半分以上は,チップセット「945G」が消費しているだろうと思われる。

 今後Intel社以外からAtom搭載ボードが出てくるはずである。別のチップセットを搭載するボードが出れば,さらに消費電力は下がる可能性がある。