台湾・台北市で開催中のCOMPUTEX/WiMAX Expo 2008会場周辺では,複数にまたがる会場間の連絡用や通信事業者のデモ用に複数の「WiMAXバス」が運行されている。こうした展示会でWiMAXの大規模なデモを展開するのは,世界で初めての試みだという。そこで早速,このバスを体験してみた。

 会場連絡用のバスにはノート・パソコンが2台設置され,WiMAXを使ってインターネットに常時接続されていた(写真1写真2)。WiMAXの無線モジュールを台湾エイサー製のパソコンに内蔵し,アンテナは外付けにしていた。なおアンテナは,バスの運転手と乗客エリアを仕切る壁の裏側に設置されており,見ることはできなかった。

写真1●TCA(Taipei Computer Assciation)が会場連絡用に運行しているWiMAXバス   写真2●会場連絡用のWiMAXバスでネット・サーフィンをしているところ
写真1●TCA(Taipei Computer Assciation)が会場連絡用に運行しているWiMAXバス
[画像のクリックで拡大表示]
  写真2●会場連絡用のWiMAXバスでネット・サーフィンをしているところ
[画像のクリックで拡大表示]

 実効速度は「下り2Mビット/秒,上り1Mビット/秒程度」(説明員)という。実際,日本のブロードバンドのスピード・チェック・サイトで調べてみたところ,1Mビット/秒以上の速度を記録した。YouTubeの動画も確認してみたが,特にコマ落ちすることなく再生することができた。

 会場連絡用のバスではなく,通信事業者がデモ用に公開しているものもある。台湾Far EasTone Telecommunications(FET)が提供しているバスだ(写真3)。デコレーションされた車内では,会場と結んでテレビ電話やチャットを実行したり,WiMAX経由で100Mバイトのデータをダウンロードするデモが実施されていた(写真4)。

写真3●台湾FETのWiMAXデモ用バス   写真4●移動中のWiMAXバスと会場でテレビ電話をしているところ
写真3●台湾FETのWiMAXデモ用バス
[画像のクリックで拡大表示]
  写真4●移動中のWiMAXバスと会場でテレビ電話をしているところ
[画像のクリックで拡大表示]

 100Mバイトのファイルを転送する際,実効速度は常時6Mビット/秒程度,最大実効速度が7Mビット/秒を達成していた(写真5)。移動により通信先の基地局アンテナ(セクター)が変わっても,通信が途切れることなく継続するデモを見せていた。

写真5●FETのWiMAXバスでの実効速度
写真5●FETのWiMAXバスでの実効速度
下り最大7Mビット/秒を達成している。
[画像のクリックで拡大表示]