国立大学法人の東京大学は6月2日、情報基盤センターに導入したスーパーコンピュータ「T2K」が国内最高の性能を達成したと発表した。同日から稼働を開始している。東大は「LINPACK」というベンチマーク・プログラムでT2Kの性能を測定し、82.98テラFLOPSをマークした。56.4テラFLOPSで現在国内トップの東京工業大学の「TSUBAME」を大きく上回る。

 LINPACKは世界で稼働中のスパコンの性能をランキングする「TOP500」が採用しており、東大は今回の結果をTOP500に応募した。現時点で世界では10位に相当する。TOP500は6月17日から20日まで独ドレスデンで開催するISC'08の会場で最新のランキングを発表する予定で、東工大など他のユーザーの結果次第で東大のT2Kは名実ともに日本1位となる。

 T2Kのシステムは日立製作所製。米AMDのクアッドコアのOpteronを搭載したPCクラスタ型である。10Gビット/秒のイーサネットでノード間を接続し性能を高めている。今回は導入した4システムのうち512ノードと256ノードのシステムで測定した。128と56のノードの2システムは計測の対象にしていない。

 東大のほか、筑波大学、京都大学が同仕様のスパコンを導入しており、T2Kは各大学の頭文字からとった。京大は富士通、筑波大はクレイ・ジャパン・インク/米アプロ・インターナショナルと住商情報システムがそれぞれ納入。こちらも6月2日に稼働している。3大学は仕様を統一し、研究面での連携を図る。科学技術計算だけでなく、データ・マイニングなど広い用途での利用を想定している。