オープンソースの侵入検知システム「Snort」を手がける米Sourcefireは米国時間2008年5月30日,同社の取締役会が米Barracuda Networksによる買収提案を拒否することを決定したと発表した。同提案が「株主にとって最良の利益にならない」と判断したという。

 Barracudaは前日に,Sourcefireの発行済み株式のすべてを,1株当たり7.50ドルの現金で買い取る意向を明らかにした。Barracudaによると,7.50ドルという金額は,5月23日の終値に13%プレミアを付けたもので,過去60日間の平均株価より16%高い。「両社の統合はSourcefire単独で運営するよりも,株主,債権者,サプライヤ,パートナにより大きな保証をもたらす」として,5月27日付けでSourcefireのCEOであるWayne Jackson氏および取締役会あてに買収提案の書簡を送っていた(Barracudaのプレス・リリース)。

 ちなみに,Sourcefireのオープンソース・アンチウイルス・ソフト「ClamAV」は,特許侵害にあたると米Trend Microの指摘を受けている。同ソフトをインストールしたアプライアンスを販売しているBarracudaも,Trend Microから提訴されている(関連記事:オープンソース・アンチウイルスソフトClamAVの特許侵害でTrend Microがアプライアンス・ベンダーを提訴)。

 Barracudaは「買収提案はオープンソース・コミュニティとClamAVの自由を守ろうとする姿勢を反映したもの」と説明したが,今回Sourcefireは「当社を著しく過小評価した提示額だ」と結論づけ,提案を拒否した。

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