市のホームページでYouTubeを利用して公開されている会津若松市長 菅家一郎氏の記者会見
市のホームページでYouTubeを利用して公開されている会津若松市長 菅家一郎氏の記者会見
[画像のクリックで拡大表示]
オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)PloneとLinuxを採用した会津若松市のホームページ
オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)PloneとLinuxを採用した会津若松市のホームページ
[画像のクリックで拡大表示]

 会津若松市は2008年5月28日,オープンソースのオフィス・ソフトウェアOpenOffice.orgを全庁的に導入すると発表した。市庁の全パソコン約850台のオフィス・ソフトを,順次Microsoft Offce(MS Office)から切り替える。5年間で約1500万円のコスト削減を見込んでいる。

 OpenOffice.orgは,Microsoft WordやExcelのファイルを読み書きできるオフィス・ソフトウエア。米Sun Microsystemsが中心となって開発,オープンソース・ソフトウエアとして公開しており,無償で利用することができる。日本ではOpenOffice.org日本語プロジェクトとOpenOffice.org日本ユーザー会が配布や普及活動などを行っている。

 会津若松市では,OpenOffice.orgへの切り替えにより,コスト削減のほか,文書の長期保存にも対応できるとする。「過去に作成した文書が,最新版のソフトウエアでは読めないということもあった。標準の文書ファイル・フォーマットを国際標準であるODFとすることで文書を長期に保存,利用できる」(会津若松市長 菅家一郎氏)。

 また「これまで市が市民に文書を配布したり,市民から文書を受け取ったりする際に,市民が有料のソフトを購入しなければならないことがあった。無償で利用できるOpenOffice.orgから利用できる形式にすることで市民の負担を軽減する」(菅家氏)。

 OpenOffice.orgへの切り替えは2008年秋から,現在使用しているパソコンの入れ替えにあわせて順次行う。すでに職員への操作研修を実施中。業務上Microsoft Officeが必要になる場合は併用する。

 さらに会津若松市ではオフィス・ソフト以外でも,市の情報システムへのオープンソース・ソフトウエア導入を進める方針。すでに市のホームページでオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)であるPloneと,LinuxディストリビューションCentOSを利用している。会津若松市総務部情報政策課では「オープンソース・ソフトウエアであれば資本が少ない地元のIT企業でも習得,参入しやすい。オープンソース・ソフトウエアの導入によって地元IT企業の参入機会を増やしていく」としている。

◎関連リンク
会津若松市長 菅家一郎氏の記者会見(YouTube会津若松チャンネル)