大阪ガスのIT子会社であるオージス総研は6月、ログ管理のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を開始する。社内システムにおける、重要データへのアクセスや特権IDの利用といった利用状況を記録。日常のセキュリティ監視や日本版SOX法などの監査資料としての利用を想定する。

 オージスが子会社であるさくら情報システムのパッケージ「PowerAudit」をベースに開発した。パッケージ版は昨秋に投入しており、今回のSaaS版は「Can査ぽーと」by SaaSとして提供する。

 利用企業に置くログ管理サーバーから、オージスもしくはさくら情報のセンターにデータを転送。ポリシーに基づいて警告を通知したりレポートを作成したりする。SaaS化したことで、従来のパッケージ版で1000万円以上かかった導入コストを10分の1以下に抑えられるという。利用料金は100Gバイトまでのログを管理する場合で月額18万円程度を予定する。

 オージスは今年4月、さくら情報への追加出資で過半数の株式を握る子会社とした。これを機に、ユーザーのITガバナンス構築・運用ビジネスを強化している。オージス内に4月1日付けでITガバナンスや内部統制の体制構築に取り組む50人の部隊を創設。社会インフラ系に強いオージス、金融系に強いさくら情報それぞれの顧客に営業をかける。

 災害やテロなど非常時に事業を早期に復旧させる事業継続計画(BCP)の策定と実行を支援する体制も3月までに整えた。オージスは大阪、さくら情報は東京にそれぞれ自社のデータセンターを保有しており、両施設を利用したBCP向けのアウトソーシング・サービスとして提案する。

■変更履歴
当初、オージスがさくら情報を完全子会社化としていましたが、オージスはさくら情報の株式を追加取得し過半数の51%を保有しました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/05/29 12:30]