シスコシステムズは2008年5月29日、無線LANインフラをベースにした新ソリューション「Cisco Motion」を発表した。企業内の無線LANインフラを活用し、さまざまな付加価値サービスを提供する。新ソリューションに対応したソフトウエアを搭載したアプライアンス製品「Cisco 3300シリーズ モビリティ サービス エンジン」(MSE)を7月に出荷する。

 MSEで利用できるソフトは4種類ある。1つめはクライアントの情報を収集する「Context-Aware」である。無線LAN規格を採用したタグの活用を想定する。無線LANタグを取り付けた機器の現在位置といった位置情報に加え、温度や稼働の有無など詳細な情報を収集可能だ。「病院に導入すれば、医療機器が院内のどこにあるか分かるうえ、それが稼働中かどうかも把握して管理できる」(米シスコシステムズ ワイヤレス・ネットワーキング・ビジネスユニットのマチェック・クランツ マーケティング担当副社長)。

 2つめは無線LAN機能を搭載した携帯電話の接続先をシームレスに切り替える「Mobile Intelligent Roaming」だ。外出先では携帯電話網で通話して、オフィスに戻ると自動的に無線LANに接続し直してIP電話機として利用できるようになる。

 3つめは無線LANのアクセス・ポイントに不正侵入防御機能を付加する「Adaptive Wireless IPS」である。サーバーを攻撃するようなふるまいをするクライアントがあれば、その接続を切るなどの対策が可能だ。4つめはクライアント認証を社内外で一元化する「Secure Client Manager」だ。

 Context-Awareは7月のMSEの発売と同時に提供する。Mobile Intelligent RoamingとAdaptive Wireless IPSは2008年第4四半期に、Secure Client Managerは2009年第1四半期に出荷する。MSEの価格やソフトウエアのライセンス料金は未定である。