写真●シスコシステムズのAXPモジュール
写真●シスコシステムズのAXPモジュール
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 シスコシステムズは2008年5月28日、統合型ルーター「Cisco ISR」シリーズのAPIを7月に公開すると発表した。ルーター情報の取得、CLI(コマンド・ライン・インタフェース)コマンドの入力、イベントの通知、パケットのキャプチャといったAPIを利用できる。APIを利用するには、Linuxを搭載したカード型モジュールをCisco ISRシリーズに追加する必要がある。「これまでAPIの公開はしていなかったので、シスコとして初の試みとなる」(シスコシステムズの平井康文エンタープライズ&コマーシャル事業担当副社長)という。

 APIを利用するためのモジュールを「AXP(Application eXtension Platform)モジュール」と呼ぶ(写真)。AXPモジュールはLinux OSを搭載したサーバーとして利用できる。例えば、ICカードの管理サーバー機能を持たせ、ICカードに応じて異なる接続先にVPN(仮想私設網)を設定するような使い方が可能だ。

 AXPモジュール対応のパッケージ・ソフトも発売する予定である。発売時点では、米ナイス・システムズの音声録音ソリューションや米アボセントの資産管理ソリューションなどを利用できる。「ソフトを提供するパートナ企業は今後増やしていく」(シスコシステムズ テクノロジーマーケティングの北かおりシニアマーケティングマネージャ)とする。

 このほか、小規模拠点/在宅勤務向け統合ルーター「Cisco ISR 880/860」シリーズを7月に発売する。このシリーズはAXPには対応しない。ルーターにファイアウォールや不正侵入検知などセキュリティ機能を搭載しながらも低価格にした点が特徴だ。日本での販売価格は非公開だが「米国での販売価格は下位機種のCisco ISR 861で449ドル」(シスコシステムズ広報)という。