学生と経営者との公開対談
学生と経営者との公開対談
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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は2008年5月28日,同機構が主催したイベントIPAX2008で学生と経営者との公開対談を開催した。経営者はCSKホールディングス 取締役 有賀貞一氏,コムチュア 代表取締役社長 向浩一氏に元NEC代表取締役社長で現IPA理事長 西垣浩司氏が加わった。学生代表は慶應義塾大学,九州大学,千葉工業大学,東京情報大学,東京工科専門学校から各校2名が登壇し,うち4名は女性。司会はインプレスR&D 編集局長 田口潤氏が務めた。

 「IT産業は技術革新が起き続けているのに,学生に人気がないと言われる。本当に人気がないのか。IT産業は学生からどう見られているのか。率直な意見を聞きたい」(田口氏)。公開対談は昨年に引き続いて2回目となる。

IT企業のイメージは

 最初に投げかけられた「やりがいのある仕事とは」という問いに対しては,学生からは以下のような回答が出てきた。「達成感」「自分が成長したと感じられること」「成果物が世の中に役立つこと」

 IPAの西垣氏は「そういうニーズを満たすのがIT業界だ。私が保証する」と述べ,「もっともっとIT産業をアピールしていかなければならない」と反省する。

 「IT企業のイメージは」という問いに対する回答は以下のとおり。

 「明るい」「ライブドア事件が印象に残っていて『ずるがしこい』というイメージ」「GoogleやYahoo!がWebの入り口としてのイメージ」「社会インフラを整備している会社というイメージ」「なかなか思いつかない。日本のパッケージ・ソフト・メーカーは思いつかず,ぎりぎり思いついたのがNTTや組み込みシステム」「以前は,あまりいい噂を聞かない,ニュースになる事件やウイルス・ソフトなど,取っつきにくいイメージ。就職活動を経てこれから成長していける期待が大きいというイメージに変わった」「パソコンを作っている企業」「情報サービス産業という言葉は聞いたことがなかった」「アメリカの企業の名前が先に来る」

 これらの答えに対しCSKの有賀氏は「業界が悪いのだが,コンシューマ向けとして表に見えている部分しか知られていない。産業を支えている基盤についてちゃんとしたPRをしていない」と話す。また「IT産業の仕事はSEとプログラマだと思われている。それよりも,どうビジネス化していくか,どうプロジェクトマネジメントで500人,1000人をマネジメントしていくかが大事。そういう職種についてちゃんと説明してきていない」とする。