写真●東京証券取引所グループの斉藤惇社長
写真●東京証券取引所グループの斉藤惇社長
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 東京証券取引所を傘下に置く持ち株会社の東京証券取引所グループは2008年5月27日、2008年7月22日から売買システムの1日当たりの注文処理能力を2800万件に増強すると発表した。同日から売買値段(呼値)の単位を引き下げるため、小口注文による取引の増加に備える。現在の処理能力は2300万件。

 1株の値段が10万円超~30万円以下の場合、呼値の単位を現行の1000円から100円に変更し、1株の値段が100万円超~300万円以下の場合は、現行の1万円を1000円に変更する。例えば株価が15万円の株式の場合、現在は15万1000円、15万2000円といった具合に1000円刻みでしか注文できないが、変更後は15万100円、15万200円といった具合に100円刻みで注文できるようになる。

 東証は2009年に予定している次世代システムの稼働の際にも、1株の値段が2000円超~3000円以下などの場合において呼値単位を引き下げる計画だ。同グループの斉藤惇社長は「より細かい値段での売買を可能にすることで、効率的な市場環境を提供し、投資家の利便性向上を図る」としている。