コミュニティ・サイマルラジオ・アライアンスの木村代表(左)
コミュニティ・サイマルラジオ・アライアンスの木村代表(左)
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 コミュニティーFM放送事業者の連合体である「コミュニティ・サイマルラジオ・アライアンス」は2008年5月27日,各地の事業者が放送と同時に番組をインターネットで配信するサービスを順次開始すると発表した。既にインターネット経由の同時再送信サービスを手がける3社に加えて,2008年6月には新たに10社が同様のサービスを開始する。その後9社も,順次サービスを提供する見通しだ。

 同アライアンスの木村太郎代表(写真)は同日の記者会見で,「現在100社を超えるコミュニティーFM放送事業者がインターネット配信サービスを開始する意欲を示しており,これらの事業者は2009年までにサービスを開始するのではないか」という見通しを示した。

 コミュニティーFM放送は,「一つの市町村の一部区域における需要に応えるための放送」と定義されており,空中線電力の出力が20W以下に制限されている。出力不足が原因で,放送エリア内のすべてに電波を届けることができないという問題を抱えている。さらに自治体の合併によって,放送を受信できないエリアがさらに広がるという状況に直面している事業者も多数存在する。地域密着型のサービスを掲げているにもかかわらず,電波が届かずに番組を提供できない状態を放置していては,コミュニティーFM放送事業者の存在意義が揺らぎかねない。

 この問題を解決するためにアライアンスは,コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスなどを手がけるフリービットの協力を得て,コミュニティーFM放送事業者向けのコンテンツ配信プラットフォームを構築した。「インターネットを活用することで,(電波が届かないエリアが存在するという問題が)一つの解決を見たことは非常に大きい」としている。