写真●SASインスティチュート・ジャパンの吉田仁志社長。「単なるレポーティングでは経営には貢献できない」と主張する
写真●SASインスティチュート・ジャパンの吉田仁志社長。「単なるレポーティングでは経営には貢献できない」と主張する
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 SASインスティチュート・ジャパンは2008年5月26日、データ分析ソフトの新バージョン「SAS9.2」を発表した。従来から同社製品が売りとしてきた分析支援機能を強化した。

 SAS9.2は業務システムで扱っている生データの情報や、データを分析しやすい形に加工していく際の変更履歴などを、メタデータとして一元管理する。分析作業はデータの抽出・変換、データ・ウエアハウスの構築、データの分析、予測モデルの構築といった工程を経る。メタデータの管理機能を強化することで、分析の切り口を変えるために特定の工程をやり直すなどといった無駄を削減し、分析作業を効率的に進められるという。

 セキュリティも強化した。ユーザーの立場や権限に応じたデータへのアクセス管理機能を実装した。利用ログの記録や管理などコンプライアンス強化を視野に入れた機能も備えた。

 このほかグラフ表示の機能を拡充した。グラフの表現方法や色分けの方法などの種類を増やし、データの特徴を目視確認しやすくした。

 ビジネス・インテリジェンス(BI)市場は「競争環境が激変し収益が確保しにくくなる中で、再度注目を浴びている」。SASの吉田仁志社長(写真)は強調する。自社製品は「データに表現された現象の裏には何があるのかを分析し、それが今後どう推移するかを予測する機能を備える」と他のBIツールとの違いを強調する。