写真1●Windows Mobile搭載の携帯端末「WILLCOM 03」
写真1●Windows Mobile搭載の携帯端末「WILLCOM 03」
[画像のクリックで拡大表示]
 
写真2●従来機種のAdvanced/W-ZERO3[es]と比べて高さを19mm短くした
写真2●従来機種のAdvanced/W-ZERO3[es]と比べて高さを19mm短くした
[画像のクリックで拡大表示]

 ウィルコムは2008年5月26日,OSにWindows Mobileを採用した携帯端末「WILLCOM 03」(写真1)を発表した。6月下旬に発売する。従来の「W-ZERO3」シリーズよりも小型化し,電話帳やWebブラウザの操作性を向上させた。2009年のサービス開始を予定する次世代PHSについてはサービス名称を「WILLCOM CORE」と決めたほか,最大100Mビット/秒以上の伝送速度を目指すことなど仕様の一部を明らかにした。

 WILLCOM 03の重量は135gで,本体サイズは幅50×高さ116×厚さ17.9mm。従来機種のAdvanced/W-ZERO3[es]と比べて高さを19mm短くした(写真2)。ハードウエアは,W-ZERO3シリーズと同じシャープの開発。

 本体が短くなったため,上下左右の操作ボタンは搭載していないが,必要に応じてタッチパネル上に上下左右の操作ボタンが現れるようにした。アプリケーションによっては,イルミネーション式数字キーの表示が切り替わり,上下左右の操作キーが表示されることもある。

 従来のスマートフォンでは操作性が悪いという評価も少なからずあったという。これを改善するために,シンプルな操作で検索できる電話帳を付属した。GmailやYahoo!メールのIDとパスワードを入力するだけでメールが受信できるようになるツールも付属する。Webブラウザは「Opera Mobile 9.5」を搭載。Webページの一部をダブルクリックすると,その部分を拡大する機能を備えている。

写真3●ピンクのポーチから製品を取り出して見せた喜久川政樹社長
写真3●ピンクのポーチから製品を取り出して見せた喜久川政樹社長
[画像のクリックで拡大表示]

 「03」という名称については「集大成としてゼロから開発し,さらに通話/メール/ウェブと三つの機能を強化した」(喜久川政樹社長,写真3)ことから,数字を強調した名称にしたという。

 購入価格については,2年間の分割払いの場合で月々2630円となるが,割引プランの「W-VALUE」に申し込むと,分割払い中は通信費から1150円が割り引かれる。そのため,ユーザーが端末に支払う実質負担額は3万5520円となる。


次世代PHSは「新幹線の中でも使えるようにする」

写真4●次世代PHSでは最大100Mビット/秒以上の速度を目指す
写真4●次世代PHSでは最大100Mビット/秒以上の速度を目指す
[画像のクリックで拡大表示]

 WILLCOM COREと名称を定めた次世代PHSについては,(1)伝送速度は最大100Mビット/秒以上,(2)新幹線の移動速度である時速300km以上でもブロードバンド接続ができる,(3)混雑する都心部でも安定した速度---の三つを目標として掲げた(写真4)。

 従来は20Mビット/秒の伝送速度を実現するとしていたが,複数のアンテナを使って伝送効率を高める「MIMO(multiple input,multiple output)を使うことで,さらに速度を向上できる」(喜久川社長)という。次世代PHSについては,5月27~28日に開催する「WILLCOM FORUM & EXPO 2008」でも詳細を発表する。

 喜久川社長は,「日本の携帯電話は高度に進化しているものの(独自技術を使っているため)ガラパゴス携帯といわれる。ウィルコムが目指す方向性はガラパゴスではない」と語り,スマートフォンや次世代PHSなどの技術でネットとの親和性を高め,用途を拡大していくという方針を示した。生活上の利便性やデザイン性を高めた「生活密着型」端末の開発も進める。2009年1~3月にモバイルFelica対応の端末を投入。7月下旬には,20代の若者を中心にユーザーを獲得している携帯端末「HONEY BEE」で,アイスクリームをイメージした色違いモデルを投入する。

[WILLCOM 03の発表資料へ]
[WILLCOM COREの発表資料へ]