写真1●「ECO CENTER」はラック一体型のサーバー製品
写真1●「ECO CENTER」はラック一体型のサーバー製品
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写真2●サーバー部の中身
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 NECは2008年5月26日、ラック一体型のPCサーバー「ECO CENTER」の販売を開始すると発表した。サーバーの構造を見直し、ラックと一体型に最適化することで、従来提供していた低電圧プロセサ採用サーバーよりも消費電力を55%削減したという(写真1)。また高集積化、軽量化をすすめ、1ラックに64台のサーバー、512コアを搭載可能にした。専用のラックと一体で提供する。

 ECO CERNTERは従来のサーバーと異なる構造を採用した。1つのきょう体の中に2台のサーバーを組み込んだ(写真2)。つまり、クアッドコアXeonの低電圧版2個とメモリーを、2組搭載している。電源とファンについては2台で共用して部品を減らし、消費電力を減らす。また、前面から背面へ排気をしやすい構造にして、ファンの消費電力も減らした。

 また、電力ロスが小さい電源装置や、消費電力が小さいメモリー、チップセットを採用しさらに省電力化。NECが実測したところ、同じクアッドコア低電圧版を使った場合で55%削減、クアッドコア通常版よりも71%消費電力を削減できたという。

 集積度を高めるため軽量化にも取り組んだ。通常64台のサーバーを設置するためには、1UサイズのPCサーバーであっても2台のラックが必要になる。スペースはもちろん重量が1.3トンにも達し、多くのデータセンターでは荷重制限を超えてしまうからだ。ECO CENTERはきょう体に通常の鉄ではなくアルミを採用し、1ラックあたり540キログラムに計量化した。従来サーバー比で58%の軽量化である。

 NECは仮想化ソフトと組み合わせて販売する方針だ。「VMware ESX 3.5」と運用管理ソフト「SigmaSystemCenter」を組み合わせる。負荷が高いサーバーや低いサーバーで動く仮想マシンを移動して最適配置することにより消費電力を減らす。

 価格は、64サーバー満載時で3990万円から。国内のデータセンターではラックあたりの電力を6キロワットに制限しているケースもある。そこに向けた構成として、24サーバーを搭載したモデルも用意。価格は1350万円からである。2008年10月までに、北米や欧州、アジアでの販売も開始する。NECは3年間でラックにして500本の販売を見込む。