米Microsoftは書籍検索サービス「Live Search Books」と学術書検索プロジェクト「Live Search Academic」を終了することを明らかにした。両検索サイトとも今週中に閉鎖する予定で,パートナへは米国時間2008年5月23日に通知したという。書籍および学術書に関する検索は今後,通常の検索サービスの結果に統合し,個別の検索サイトでは提供しない。

 また,同プロジェクトで推進してきた書籍のデジタル化作業もまもなく中止する。同社は2005年10月に,米Googleの書籍本文検索プロジェクト「Print Library Project」(現「「Google Books Library Project」)に対抗するプロジェクトとして「MSN Book Search」計画を発表し,公有の書籍のデジタル化に着手(関連記事:米Microsoft,書籍の検索サービス「MSN Book Search」を2006年より提供)。その後2006年にLive Search Booksを立ち上げた。同プロジェクトには,カリフォルニア大学やトロント大学,英国図書館などが協力し,主に著作権の切れた文献をスキャンして膨大な書籍のデジタル化を行っていた(関連記事:Microsoftのオンライン・サービスに「書籍検索」が加わる)。

 同社で検索,ポータル,広告事業の上級バイス・プレジデントを務めるSatya Nadella氏によると,これまでに75万冊の書籍をデジタル化し,8000万点の学術論文をインデックス化したという。これらのデジタル・コンテンツは,プロジェクトに参加していた図書館のオンライン検索で利用できるようにする。また,参加出版社に対しても,書籍をスキャンしたデジタル・ファイルを提供する。

 なお同氏は,今回の書籍検索サービス撤退の理由について,「当社の経験から,検索エンジンにおいて書籍コンテンツをユーザーが利用できるようにするための最良の手段は,出版社や図書館が作成したリポジトリを巡回することだみている」と説明した。「当社の投資により,こうしたリポジトリを作るための技術は従来より低コストで利用可能になっており,当社は引き続き業界の発展を追跡し,将来的事業機会の検証に取り組む」(同氏)としている。

[Nadella氏の公式ブログへの投稿記事]