特定非営利活動法人(NPO法人)Seasarファウンデーションは,オープンソース・ソフトウエア開発者を支援する「OSS開発基金」を創設する。2008年5月24日に行われた社員総会で基金に関する説明が行われた。

 OSS開発基金は,オープンソース・ソフトウエアを開発する個人および団体に対して,おもに人件費を直接支援することを想定してる。「オープンソース・ソフトウエア開発者の多くは昼間仕事をして,夜や土日のプライベートな時間を削ってソフトウエアを開発している。開発者を経済的に支援することで,平日の昼間に開発ができるようにしたい」(Seasarファウンデーション 代表理事 栗原傑享氏)。

 「非常に難易度の高い事業だと覚悟している」(栗原氏)。支援対象者の選考方法など,公平性や効率性を確保するために,時間をかけて詳細を詰める。基金は企業からの出資などにより,1億円を目標としている。2008年度中(2009年3月まで)に制度設計し,2009年度に実施する。

 Seasarファウンデーションは,オープンソース・ソフトウエア開発プロジェクトであるSeasarプロジェクトを支援しているNPO法人。SeasarプロジェクトではJavaフレームワークSeasar2を中心に数十のオープンソース・プロジェクトが活動している。Javaだけでなく,PHPや.NET Frameworkのプロジェクトも多数所属している。

 「OSS開発基金」創設をにらみ,2008年度から新しく4人が理事として加わった。東京工業大学 大学院情報理工学研究科教授 千葉滋氏,早稲田大学 大学院情報生産システム研究科 客員教授 丸山 不二夫,電通国際情報サービス エグゼクティブプロジェクトディレクター 渥美俊英氏,ヌーラボ 代表取締役社長 橋本正徳氏の4名。現在の理事であるサイオステクノロジー 代表取締役社長 喜多伸夫氏,NTTデータ イントラマート 中山義人氏,びぎねっと 代表取締役社長 宮原徹氏,代表理事であるグルージェント 代表取締役社長 栗原傑享氏の4名とあわせ,理事は8名体制となる。

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