ネットレイティングスは2008年10月に、インターネット視聴率システム「NetView」を刷新する。モニター規模を倍増して中小規模サイトの分析を可能にするほか、家庭と職場のネット利用を統合した視聴率算出、サイトの各コーナー単位の視聴率の算出、ブラウザー以外のネット利用の把握も可能にする。2009年にはケータイのネット視聴率システムも提供する予定。

 モニター規模は2万人から4万人に倍増する。規模の拡大により、訪問者数のより少ないサイトの分析や、個別サイトの詳細な分析が可能になる。NewViewは現在、ランダムに作り出した番号に電話をかけて調査を依頼するRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式により抽出した約7000世帯、2万人の「RDDパネル」を対象に調査をしている。今回新たに2万人の「メガパネル」を構築し、メガパネルとRDDパネルのデータを統合する。統計処理により現在のRDDパネル同様の代表性を持たせてデータの継続性を維持するという。

 また、ネットレイティングスの視聴率は現在、「家庭からのネット利用」のデータを標準として算出しているが、職場と家庭の利用データを統合したデータを標準にする。職場での利用が多いサイトの視聴率が上がる見込み。職場パネルはRDD方式により抽出した800人となるが、計測ソフトの導入が認められない企業もある。そこで、事業所統計を基に企業規模、業種の偏りが無くなるようにウェイトをかけて修正するという。

 集計方法も変更する。企業が持つサイトを統合した「Parent」、サイト名単位の「Brand」、サイトの各コーナー単位の「Channel」の3階層に分類して、視聴率を把握する。現在は、例えば多数のサーバーで運営されている「Yahoo! オークション」のようなサイトでは、サーバーごとの数字を集計して、ネット視聴率を算出する必要がある。新システムでは、ネットレイティングスがあらかじめ、各サイトのコーナーとサーバーの対応表を作って分類しておく。

 新システムによる視聴率データは2008年4月から試験提供を始めており、2008年10月から正式サービスへと移行する予定。

 新サービスは東京都内で開催されたネットレイティングスの記者懇親会で説明した。利用料金については、「システムへの多大な投資や、提供するデータの価値向上があるため、個別に料金の値上げをお願いしていきたい」(ネットレイティングス広報担当の西村総一郎氏)としている。また、ユーザーのネット利用がケータイにシフトしていることを受けて、「(ケータイのネット視聴率を測定する)Mobile Measurementの準備を具体的に進めており、1年後にはデータを出せるかサービス開始時期を示せるだろう」(西村氏)と説明した。