写真1●Citrix Systemsの社長兼CEOであるMark Templeton氏 [画像のクリックで拡大表示] |
仮想化とシンクライアントを組み合わせ「どこでも利用でき,集中管理できる」
写真2●XenDesktopではHD(高精細)動画を使用したり,デスクトップ環境をサービスとしてエンドユーザーに提供したりできるようになるとアピール [画像のクリックで拡大表示] |
写真3●XenDesktopの製品構成 [画像のクリックで拡大表示] |
デスクトップ仮想化を使用する利点についてCitrixの社長兼CEOであるTempleton氏はこう主張する。「仮想化されていない物理PCは,ハードウエアを用意して,OSの環境を設定し,修正パッチを適用し,アプリケーションをインストールして,アプリケーションのパッチも適用しなければ快適に使えない。それでいて3年も経てば,新しいハードウエアの調達が必要だ。デスクトップ仮想化を使用すれば,ネットワークさえあればどこからでもデスクトップ環境が利用できるし,パッチの適用やセキュリティ設定を集中管理できる。それでいて,デスクトップ環境全体が仮想化されているので,パーソナライズも可能だ」(Templeton氏)。
XenDesktopでは,デスクトップ画面の転送に同社の「ICA」プロトコルを利用しており,仮想マシン上で再生したHD(高精細)動画も,ネットワーク経由で転送可能という(写真2)。また同社では,デスクトップ仮想化のXenDesktopと,アプリケーション仮想化のXenAppを組み合わせて使用すべきだと主張している。「OSとアプリケーションを分離することで,これらの集中管理が容易になる」(Templeton氏)がその理由だ。同社ではXenDesktopの上位エディションにXenAppをバンドルしているほか,既存のXenAppのユーザーに対してXenDesktopを割引販売することで,XenDesktopとXenAppの組み合わせ使用を広める考えだ。
XenDesktopの製品構成(写真3)は,最大10ユーザーまで無償で使える「Express Edition」のほか,ユーザー数無制限の通常版「Standard Edition」(1ユーザー当たり75ドル),単一のOSイメージを使って複数台のデスクトップOSを仮想マシン上で実行できる「デスクトップ・プロビジョニング」機能が付属する「Advance Edition」(同195ドル),デスクトップ・プロビジョニングとXenAppが付属する「Enterprise Edition」(同295ドル),最上位版でユーザー・サポート機能が強化された「Platinum Edition」(同395ドル)がある。
「ハイパーバイザー型の性能劣化は小さい」とアピール
写真4●仮想サーバー「XenServer」でXenAppを使用する場合,物理サーバーと比較した場合の性能劣化が少ないとアピール [画像のクリックで拡大表示] |
また,Windowsアプリケーションを仮想化して配信するXenAppに関しては,サーバー仮想化を使用する場合のパフォーマンス向上をアピールした。「(既存のホスト・ベースである)Virtual Server上でWindows Serverを稼働させて,そこでXenAppを使用した場合,物理サーバーと比較して性能(同時に利用できるセッション数)が40~60%劣化していた。しかし,ハイパーバイザー・ベースのXenServer上でWindows Serverを稼働させてXenAppを使用すると,8%しか性能が劣化しない(写真4)」(Templeton氏)と,同社が2007年に買収したXenのパフォーマンスを強調している。