日本オラクルは2008年5月20日、SaaS型CRMの最新版「Oracle CRM On Demand Release 15」の提供を開始した。新版の強化点は(1)社員同士のコミュニケーション、(2)既存Webアプリケーションとの連携、(3)携帯電話への対応の3つ。料金はこれまで通り1ユーザー当たり月額8750円(税別)だ。

 社員同士のコミュニケーションでは、新たにメッセージング機能を追加した。営業グループの社員同士で、顧客対応に関する連絡や情報共有をできる。メールを利用せずに営業に関する情報をやり取りすることで「顧客対応に関する情報をCRMで完結できるようにした」(山瀬浩明シニアセールスコンサルタント)という。

 既存Webアプリケーションとの連携は「Web2.0による進化」と位置付ける。具体的には、Oracle CRM On Demandの画面内に地図サービスと連携した顧客所在地を表示させたり、顧客に関連したニュースを表示させたりできる。米グーグルのポータル「iGoogle」上にOracle CRM On Demandの情報を表示させるような使い方も可能だ。従来はOracle CRM On Demandのみで完結したソフトウエアだったが、「外部のサービスと融合させたいというユーザーの要望に応える」(塚越秀吉ディレクター)。

 携帯電話への対応では、まずはNTTドコモの携帯電話向けJavaアプリケーション「iアプリ」による専用ソフトを提供する。これを使うとモバイル環境からOracle CRM On Demandを利用できる。今後、KDDIの「BREW」やソフトバンクの「S!アプリ」、Windows Mobile向けアプリなどにも対応予定。このほか携帯電話のブラウザからのアクセスにも対応させる。