米VMwareは米国時間2008年5月19日,米Sun Microsystemsの製品を組み合わせたWAN環境向けの仮想デスクトップ製品や,シンクライアント認定プログラムなどを発表した。

 Sunとの提携による仮想デスクトップ製品は,VMwareのデスクトップ仮想化ソフト「VMware Virtual Desktop Infrastructure(VDI)」とSunのシンクライアント用サーバー・ソフトウエア「Sun Ray Software」,仮想ディスプレイ・クライアント(シンクライアント端末)を統合したもの。シンクライアント端末とSun Rayサーバー間の通信にはSunの「Appliance Link Protocol(ALP)」を採用する。リモート・ユーザー,ブランチ・オフィス,オフショア開発者などによる利用に適しているという。

 同製品により,デスクトップ管理を効率化でき,ユーザー側の柔軟性や生産性を向上できるほか,OSを搭載しない端末の利用により,コスト削減,マルウエアによる攻撃の危険性の軽減,端末側の消費電力の節減などが期待できるとしている。

 新しいシンクライアント認定プログラムは,VMwareのVDIにおける動作を保証するシンクライアントに認定を与えるもの。認定を受けたクライアント製品は,VMwareの「VMware Certified Compatibility Guide」に掲載される。VMwareによれば,Sun,NEC,米Hewlett-Packard(HP),独Fujitsu Siemens Computersなどが同プログラムを通じてクライアント製品の認定の取得を予定しているという。

 このほかにも同社は,企業のIT部門による仮想デスクトップの導入,管理,最適化をサポートする新しいサービス群を発表した。これには,仮想デスクトップ・インフラの導入をサポートする「Virtual Desktop Infrastructure Jumpstart」,アプリケーションの仮想化をサポートする「Application Virtualization Jumpstart」,顧客の目的や既存のインフラを評価・分析する「Plan and Design for VMware Virtual Desktop Infrastructure and Application Virtualization」,リモートおよびブランチ・オフィスの最適化をサポートする「Remote Office/Branch Office(ROBO)Services Acceleration Kit」が含まれている。

 VMwareとSunの技術を統合した仮想デスクトップ製品は同日から利用可能となっている。両社間のOEM契約により,Sunが同製品のサポートを提供する。

発表資料(1)
発表資料(2)
発表資料(3)