Facebook Developer Garage Tokyoの模様
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石原淳也氏による「Kanji-Fundom」のデモ
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鈴木雄介氏とモンスター・ラボ 取締役CTOの稲村創氏による「Desert Island Gear」のデモ
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谷津真樹氏による「Wildfire」のデモ
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リカーズの福山誠氏による「Pano-Clip」のデモ
リカーズの福山誠氏による「Pano-Clip」のデモ
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ナターシャ 取締役の立薗理彦氏による「Natalie」のデモ
ナターシャ 取締役の立薗理彦氏による「Natalie」のデモ
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 「Facebookで英語圏にアプリを普及させる」---米大手SNSのFacebookは2008年5月19日夜,開発者向けイベント「Facebook Developer Garage Tokyo」を東京で開催した。Facebookは同日,日本語版を正式に開始した(関連記事)が,すでにFacebook向けのアプリケーション開発を行っている日本人開発者5組がデモを披露した。

 Facebookの特徴は,公開されたAPIにより,ユーザーの友人関係や,友人の更新などの情報を利用した「ソーシャル・アプリケーション」を開発できるプラットフォームとなっていることだ。Facebook インターナショナルマネージャーのJavier Olivian氏はFacebookには7000万人のアクティブ・ユーザーがいて,2万以上のアプリケーションが開発されており,毎日平均140のアプリケーションが追加されていると説明。「Facebookにはアプリケーション開発者が収益を上げるチャンスがある」とする。アプリケーションには広告を表示したり,商品やコンテンツを販売することができる。

 石原淳也氏は,「Kanji-Fandom」をデモした。英字の名前を漢字表記に変換するアプリケーションである。例えば「Michael Jordan」なら「間池留・女卯団」に変換されるといった具合だ。開発はRuby on Railsで行った。石原氏は位置情報付きソーシャルブックマーク「あとで行く」などを開発しているほか,Mash up Awardを受賞している。

 エーティーエルシステムズ チーフソフトウェアアーキテクトの鈴木雄介氏とモンスター・ラボ 取締役CTOの稲村創氏は,「Desert Island Gear」のデモを行った。「無人島にひとつだけ持っていくとしたら何を持っていく?」など質問を登録でき,それに答えると回答がプロフィールとして蓄積されていくアプリケーションだ。英語圏のユーザーを想定しメニューは英語が標準。ユーザーの使用言語が日本語の場合は日本語のメニューを表示する。

 開発はRuby on Railsで行った。「日本のサーバーで動かしたところ,ネットワークの遠さのため,1リクエストで許される時間内でレスポンスを返せなかった。Facebookアプリケーション向けの無料クラウド・コンピューティング・サービスである『Joynet』を利用することで解決できた」(稲村氏)。

 谷津真樹氏は,企業が販促キャンペーンなどを行うことができるビジネス向けサービス「Wildfire」をデモした。ニュースフィードやFacebookページのバナーなどによってキャンペーンを広めることができるアプリケーション。これもRuby on Railsだ。

 リカーズの福山誠氏は,「Pano-Clip」をデモした。Pano-Clipは,Google Street Viewのような3次元パノラマ写真を表示し,ユーザーがパノラマに写っているものに対してコメントし共有できるアプリケーション。すでに開発済みのWebサービスであるPano-Clipを,3日でFacebookアプリ化したという。PHPとフレームワークのCakePHPで開発している。

 ナターシャ 取締役の立薗理彦氏は「Natalie」をデモ。同社が運営する音楽サイト「ナタリー」からの,J-Popの英文ニュースを毎日配信するアプリケーションだ。Webサイトやブログパーツでも提供しているが「Facebookアプリケーション化することで,英語圏のユーザーにJ-Popコミュニティなどを通じて広めることができる」(立薗氏)との狙いからFacebookアプリケーション化した。PHPとフレームワークのsymfonyを採用している。

 コーディネータを務めたフィルモア・アドバイザリー 瀬谷啓介氏は「Facebook Developer Garage Tokyoを今後も,できれば四半期に1回程度開催していきたい」と話した(関連:瀬谷啓介によるFacebookの解説記事)。