住友信託銀行で2008年5月19日の朝8時30分から約5時間にわたり発生したシステム障害の原因は、ATMなどの接続台数にかかわるパラメータの設定ミスだったことがわかった。住友信託銀が同日発表した。営業店端末の更改に伴う事前作業に不備があった。

 住友信託銀は6月から、本支店の営業店端末を新機種に刷新する計画だった。これに先駆け、900台の新端末の情報を「端末定義テーブル」に追加する作業を5月18日に実施した。端末定義テーブルとは、営業店端末やATMなど、勘定系システムに接続する端末や外部接続先の情報を一元管理するファイルである。

 このテーブルに900台の情報を追加したところ、端末数がパラメータで定めた上限値を超えた。これにより、5月19日のオンライン起動直後から、自社のATMやコンビニATM「E-net」が勘定系システムに接続できなくなった。ATMや営業店端末などは、起動した順に勘定系と接続する手順である。自行ATMやE-netは営業店端末よりも後に起動したため、勘定系との接続を確立できなかった。

 このトラブルの影響で、住友信託銀のATM141台のうち最大で120台が使えなくなった。E-netのATMは8392台(4月末時点)がすべて利用できなかった。インターネット・バンキングは、他行向けの振込ができなかった。

 住友信託銀は応急処置として、まだ利用していない新端末の接続を切断。ATMなどの接続を復旧させた。6月の端末切り替えまでには、パラメータで指定した上限値の値を拡大する。