記者会見のために来日した米フェースブック創設者兼CEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏(左)と、インターナショナルマネージャーのハビエル・オリバン氏
記者会見のために来日した米フェースブック創設者兼CEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏(左)と、インターナショナルマネージャーのハビエル・オリバン氏
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 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手の米フェースブック(カリフォルニア州)は2008年5月19日、同社のSNS「Facebook」の日本語版サイトを開設したと発表した。同サイトの利用者の拡大状況をみて、日本での広告ビジネスの本格展開を検討する。

 Facebookは、実名登録で大学や企業などの実際の友人と情報共有することが特徴のSNS。創設者兼CEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏が2004年、ハーバード大学在学時に開発を始め、2006年末までは大学生限定のSNSだったこともあり、実名登録をする人が多い。登録を一般開放した現在も実名登録を推奨しており、「いろいろな方法でチェックしている。例えば大学や企業に所属する人は登録メールアドレスで検証できる」(ザッカーバーグ氏)という。さらに、登録する個人情報の公開範囲をきめ細かく設定可能にしており、安心して利用できるという。

 記者会見で、日本のSNS市場での勝算について聞かれたザッカーバーグ氏は、「Facebookは実名と本当の友人とのつながりを重視しており、mixiやMySpaceとは異なる。米国ではMySpaceが先行しているが、Facebookが会員登録を一般公開して以降急速に伸びており、実名で友人と情報共有したいという気持ちが強いことの表れと考えている」と、会員獲得に自信をみせた。

 Facebookの現在のアクティブユーザーは7000万人。2006年9月で7%だった米国外ユーザーの比率は、2008年5月時点で34%と急速な勢いで広がっている。2007年5月に外部の開発者がFacebook上のアプリケーションを開発できる仕組みを開始し、現在は約30万人の開発者が2万以上のアプリケーションを開発。そのうち200以上のアプリケーションは100万人以上のユーザーを獲得しているという。

 フェースブックの収益の大半は広告事業によるもの。2007年11月より、広告プラットフォーム「FacebookAds」を展開している。友人の行動と関連づけて、「(友人の)○○さんが□□の商品を購入しました」といったメッセージを会員ページに表示する「ソーシャル広告」のほか、レストランやアーティスト、政治家や企業などが独自の会員ページを作れる「Facebookページ」などのメニューがある。また、バナー広告の販売についてはマイクロソフトと提携しており、日本企業向けにも4月からマイクロソフト日本法人が販売を開始していた(関連記事)。

■関連情報
・FacebookのWebサイト http://www.facebook.com/