米Microsoftは米国時間2008年5月18日,米Yahoo!と提携する方向で検討中であることを明らかにした。買収の再提案は否定しているが,その可能性が残っていることを匂わせている。

 Microsoftは今回発表した声明で,Yahoo!のすべてを取得するのではなく,同社との取引を伴うかたちで,引き続きオンライン・サービスおよび広告事業の強化と拡大を押し進めるための選択肢を探っていると述べた。

 ただし,現時点で買収を再提案することはないとしながらも,「Yahoo!またはYahoo!の株主,または当社の株主,あるいは他社との将来的な展開や交渉によっては,その選択肢を再検討する権利は維持する」としている。

 MicrosoftはYahoo!に買収案を申し出た当初,1株当たり31ドル(総額は446億ドル)の買収額を提示していたが,Yahoo!は「著しい過少評価」としてこれを拒否。5月に入って,Microsoftは提示額を1株当たり33ドルに引き上げ,先の総額に50億ドル上乗せする用意があることをYahoo!に告げた。しかしYahoo!が1株当たり37ドルという価格に固執したため交渉は折り合わず,Microsoftは5月3日に正式に買収案撤回を発表した(関連記事:【速報】Microsoft,Yahoo!への買収提案を撤回)。

 この結果に不満を持つ投資家のCarl Icahn氏は5月15日,Microsoftとの合併を再検討するよう促す公開書簡をYahoo!会長のRoy Bostock氏に送り,現役員の退陣を求めて委任状争奪戦に乗り出すことを発表した(関連記事:投資家Icahn氏がYahoo!会長にMicrosoftとの合併を提言,委任状争奪戦へ)。

 これを受けたBostock氏は,現役員を留任する意向だとしてIcahn氏に反論。なお,Bostock氏はIcahn氏にあてた返答の中で「今でも,Microsoftを含むいずれの組織であろうと,株主にとって利益になる申し出があれば検討する姿勢であることは明々白々である」と述べている(関連記事:Yahoo!,同社役員の退陣を求めるIcahn氏に対して「現役員は最適者」と反論)。

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