ユーザーがSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業者を選ぶ際に、チェックすべき項目が適切に開示されているかどうかを確認する「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」において、セールスフォース・ドットコムなど6社の8サービスが2008年5月18日に認定された。本制度は、総務省が07年11月27日に開示した「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示指針(第1番)」に基づき設立されたもので、総務省が所管するマルチメディア振興センターが認定業務を行っている。認定の申請は4月15日から受け付けており、今回初めて認定した。

 本制度のWebサイトにおいて、92種類に及ぶ必須開示項目の一覧がサービスごとに公開される(5月23日ころまで正式公開予定)。事業者の財務状況や法令順守体制のほか、サービスの内容や料金、稼働率などのサービス品質、セキュリティ対策の内容などを、まとめて確認できる。なお稼働率については、認定に必要な下限値を定める計画もあったが、「具体的な数値を示すこと」という条件にとどめた。

 開示するかどうかを事業者が選択できる項目も41種類ある。これらの選択項目の開示数はサービスよって、14~30種類と開きがあった。選択項目についてはサービスごとに、開示しているかどうかを○×形式でWebサイトに公開する。

 今回認定を受けたのは、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce」(CRM)、GMOホスティング&セキュリティの「アイルiCLUSTAサービス」(Web/メール・ホスティング)、富士通ビジネスシステムの「WebOffice」(グループウエア)、エイケア・システムズの「FormFactory」(メール配信)、「MailPublisher Smart Edition」(簡易版メール配信)、「MailPublisher Mobile Edition」(モバイル用メール配信)、ビジネスオンラインの「ネットde会計」(会計)、パイプドビッツの「スパイラル・メッセージングプレース」(メール配信)の8つである。

 マルチメディア振興センターは来月にも、さらに数種類のサービスを認定する計画。「1年間で100~200サービスを認定したい」(マルチメディア振興センター)考えである。