写真1●2008年12月期第1四半期の連結決算を発表する須山勇社長兼CEO
写真1●2008年12月期第1四半期の連結決算を発表する須山勇社長兼CEO
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写真2●アッカ・ネットワークスの今後の取り組み
写真2●アッカ・ネットワークスの今後の取り組み
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 アッカ・ネットワークスは2008年5月15日,2008年12月期第1四半期(2008年1月1日~3月31日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比11.7%減の80億6400万円,営業利益は同16.8%減の7億800万円,経常利益は同22.4%減の6億7200万円だった。前年同期比で減収減益だが,2008年度通期予測に対して売上高,営業利益,経常利益,純利益の「全項目で進ちょく率が25%を超え,順調に推移した」(須山勇社長兼CEO,写真1)。

 今後はADSL市場の縮退による売上高の減少傾向を食い止めるべく,「無線ブロードバンドに本格的に進出する」(須山社長,写真2)。既にNTTドコモとイー・モバイルから無線設備を借り,MVNO(仮想移動体通信事業者)としてHSDPA(high speed downlink packet access)を利用したデータ通信サービスを開始することを発表済み(関連記事1関連記事2)である。

 無線ブロードバンド事業について,NTTドコモの設備を活用した「ACCA mobile(D)」は実績やエリアを重視する企業ユーザー向けに,イー・モバイルの設備を利用した「ACCA mobile(E)」は価格を重視する個人ユーザー向けに展開することを考えている。ACCA mobile(D)は「フラット定額プラン」と「グループパケットシェアプラン」の2種類の料金プランを発表しているが,IP-VPNのアクセス回線向けの料金はバックアップ用途を含め,「もう少しユニークなメニューを用意している」(須山社長)という。

 一方,ACCA mobile(E)は料金プランをまだ発表していないが,ユーザーが利用しやすいように「端末のレンタル方式を採用する予定」(須山社長)である。「現状のサービスは初期費用が高かったり,契約期間が長期間拘束されたりする。ビジネス・パーソンが出張などで短期間だけ気軽に使えるような料金プランを考えている」(同)。詳細は6月に発表する予定だ。

 さらに,ADSLの解約防止策の強化と原価構造の改善を図る。前者はADSLの長期利用者を優遇するプランを検討している。一方,後者は,(1)ネットワーク構築や調達にかかるコストの削減(前年度比17%の削減を予定),(2)ソリューション支援事業における採算性の低い案件の整理,(3)映像コミュニケーション事業の譲渡・分社化の3点を挙げた。(3)は動画投稿サイト「zoome」の事業を4月に分社化すると発表したほか,同日に企業向け映像コミュニケーション事業をJストリームに譲渡すると発表した。Jストリームへの譲渡価額は500万円で,9月1日に実施する。

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