図1
図1
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図2
図2
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 米Qualcommは2008年5月15日,半導体事業の説明会を都内で開催した。同社COOでCDMA TechnologiesGroup(半導体部門)プレジデントのSanjay K..Jha氏が,現状に関する説明を行うとともに,出席した記者からの質問に答えた。

 この中で,欧州の通信メーカーなどが発表したLTE特許のフレームワークへの参加の有無などに関する質問に対しては,(1)現在,LTEの標準仕様策定がまだ完全には終わっていないこと,(2)知的財産権の扱いについてが,いわゆるFRAND(公正かつ合理的で、非差別的な条件)の下で当時者同士の交渉で決めるべきである,(3)標準技術の発展により新たな知的財産権が生まれる,などから現在は様子を見ている状況だと説明した。加えて,発表されたLTE特許のフレームワークは,「シングルモードを前提にしているが,実際にはCDMA2000やWCDMAなどとデュアルモードになるだろう。我々は,こうしたマルチモードに同じライセンス料金を適用する方針できたし,今後もそうだ」としており,方針に変更はないようだ。

 Qualcommは,3.9G(第3.9世代移動体通信システム)としてUMBの開発を進めてきた。方式選択の状況に対するコメントを求められて,「UMBについては事業者の決定を待っている。方式についてはLTEさらにはモバイルWiMAXとある中では,LTEがマジョリティーになると考えており,開発を進めている」と説明した。

 フェムトセルについては,二つのポイントを指摘した。1点目は半導体開発の立場からで,既に同社のチップを利用してフェムトセルを実現している企業あり,現在はフェムトセル専用のフェムトベースステーション向け半導体の開発を進めるかどうか検討中であるという。もう1点は研究開発の立場からで,フェムトセルとマクロなネットワーク,マイクロセル,ピコセルなどを一つのネットワークとして導入可能となるような技術の開発あるいは標準化に,Qualcommとして積極的に活動していくとした。

 Snapdragonについては,日本や韓国,台湾などの多くのメーカーが端末を開発中であり,15の携帯型端末の開発が進行中であること,2008年第4四半期あるいは2009年第一四半期にはWindows mobile 6やLinuxベースの商品が投入される予定であること,さらには現行の65nmプロセスから45nmプロセスへ微細化した半導体のサンプル出荷が2009年の早い時期に始まる予定であることなどを説明した(図2)。