図1 試作端末
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図2 利用イメージ
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図3 アンテナ搭載ストラップ
図3 アンテナ搭載ストラップ
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図4 UHF/5.8GHz対応の車車間通信の試作機
図4 UHF/5.8GHz対応の車車間通信の試作機
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図5 開発ロードマップ
図5 開発ロードマップ
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 沖電気工業は,DSRC(Dedicated Short Range Communication)を内蔵した携帯電話端末を試作し,2008年5月13~14日に横浜市で開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2008」で展示した。DSRCはITS用に開発が進む無線通信技術のこと。既にETCなどで利用されているが,変調方式をASKからπ/4シフトQPSKへと見直すことなどにより高度化が図られている。利用する周波数帯域は5.8GHz帯である。用途としては路車間通信と車車間通信があるが,今回は車車間通信用の小型モジュール(ITS ForumによるRC-005の仕様に基づく)を搭載した。さらにGPS受信モジュールを携帯電話機に搭載している(図1)。

 DSRCは,歩行者の安全支援に利用する。車車間通信技術により,周辺車両と位置に関する情報を交換することが可能となる。GPSにより歩行者の位置情報がわかる。危険がある場合には,歩行者に対して音や振動,メッセージで情報を伝達できるようになる(図2)。今回の展示では,歩行者用にアンテナを装備したストラップを合わせて紹介した。アンテナが2カ所に装備されており,ストラップの装着時には体の前後にアンテナが配置される(図3)。

 沖電気は今回の展示で,5.8GHzとUHF帯に対応するマルチバンド車車間通信の試作機を展示した(図4)。UHF帯は,地上アナログテレビ放送の終了後の2012年(いわゆるリパッキングの後)から,ITSで利用が可能になる周波数である。また,こうしたITS向け半導体などの開発ロードマップなども示した(図5)。