写真1●イー・アクセスの安井敏雄代表取締役社長
写真1●イー・アクセスの安井敏雄代表取締役社長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●イー・アクセス取締役会長でイー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏
写真2●イー・アクセス取締役会長でイー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏
[画像のクリックで拡大表示]

 イー・アクセスは2008年5月14日,2008年3月期(2007年4月~2008年3月)の通期連結決算を発表した。売上高は前年同期比20.1%増の675億6400万円,営業利益は前年同期比576%増の70億9200万円の増収増益となった。ADSL事業のシェア拡大や解約率の低下,またイー・アクセスが展開するイー・モバイル向けのバックボーンや端末の販売ビジネスが連結の増収増益に貢献した。

 なお同社の関連会社であるイー・モバイルは2007年6月1日以降,連結子会社から持分法適用関連会社へ異動している(関連記事)。そのためイー・モバイルの2007年4月1日から5月31日までの経営成績が連結対象となり,6月1日以降は投資損益として反映されている。連結の経常損益はモバイル事業の投資損失135億1000万円を計上し,83億7000万円の赤字となっている。

 決算内容について説明したイー・アクセスの安井敏雄代表取締役社長(写真1)は,「イー・モバイルが持分方適用関連会社になったことなどから連結の営業利益は,前期の減益から回復した。イー・アクセスによるイー・モバイル向けの端末やバックボーンの提供ビジネスも立ち上がり,連結の売り上げ拡大に貢献した」と説明した。

「イー・モバイルのビジネスは健全」とアピール

 一方のイー・モバイルの財務状況だが,2008年3月期の売上高は145億円,営業損益は382億1000万円の赤字,当期純損益は420億2000万円の赤字だった。設備投資額は982億1000万円となっている。

 安井社長は「時々イー・モバイルの資金状況は大丈夫かと聞かれる」と語り,「現預金は約940億円,未消化のコミットメントラインは1400億円あり,良好なバランスを保っている」と説明。同社のビジネスの健全性をアピールした。

 イー・モバイルの契約数は2008年3月末までに41万1500に達した。今期は「さらに100万加入を上乗せしたい」(イー・モバイルのエリック・ガン代表取締役社長兼COO)とする。イー・モバイルの今期の業績予想として,売上高が850億円,営業損益は360億円の赤字,純損益は440億円の赤字という見通しも示した。2008年3月期のARPU(1ユーザー当たりの月間平均収入)は約4500円弱で,今期もほぼ同様の値になる見込みという。

 今後のイー・モバイルの端末ラインナップについて,イー・アクセス取締役会長でイー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏(写真2)は,「既存事業者は音声を主軸にしているが我々はデータ通信が中心。今期はイー・モバイルの戦略はこういうことかと理解してもらえる端末を出していく」と述べた。

[発表資料へ(PDF)]