屋久島町のホームページ
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屋久島町のホームページ(観光スポット)
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屋久島町 副町長 日高典孝氏
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国立情報学研究所 教授 社会共有知研究センター長 新井紀子氏
国立情報学研究所 教授 社会共有知研究センター長 新井紀子氏
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 鹿児島県 屋久島町は,オープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)「NetCommons」で同町のWebサイトを構築した。費用は100万円,期間は1カ月。「ITに詳しくない職員でもコンテンツの更新が可能になった」(屋久島町 副町長の日高典孝氏)という。

 NetCommonはオープンソースのCMSであるXOOPSをベースに国立情報学研究所 社会共有知研究センターが教育機関向けに開発し,2005年にオープンソース・ソフトウエアとして無償公開したCMS。eラーニング管理システムなど教育機関向けの機能を持つ。XOOPS同様PHP,MySQLで開発されている。教育現場など約1500団体に導入されているという。

 屋久島では2007年10月に旧上屋久町,屋久町が合併しWebサイトの統合が課題になっていた。構築を担当した屋久島の住民がNetCommonsを選択した。この住民は屋久島の中学校教諭の配偶者の女性という。国立情報学研究所 社会共有知研究センターもコンサルティングやデザイン,バックアップ・サーバーの設定を担当した。

 新しいWebサイトでは,町の職員が,島に6カ所ある分散した庁舎からコンテンツを管理できるようになった。町長も自らブログを書いている。屋久島町 副町長 日高氏は「今まで専門的な職員がいてHPの更新に携わってきたが,ITに詳しくない職員でも更新できるようにならないかと考えていた。数千万円の費用がかかると言われあきらめていたが,島内の中学校教諭の配偶者の女性の方が知識があるということでお願いしたら非常に安価に実現できた。屋久島が世界遺産に登録されて以来,専門知識を持つ方のIターン(都会からの移住)が増えている」と語る。

 費用の内訳は,サーバーのレンタルが約10万円,屋久島の住民が請け負ったNetCommonsのインストールやコンテンツの収集が合わせて約40万円。デザイン料が約10万円,バックアップ・サーバー費用が約40万円。国立情報学研究所 社会共有知研究センターは無料でコンサルティングを行った。

 島内の小中学校のホームページもNetComonsで構築を進めており,2008年2月には同町神山小学校,4月には八幡小学校のWebサイトも開設した。5月14日には町の英語Webサイトもオープン。「町の学校の英語指導の方に内容を点検していただいて作った」(副町長 日高氏)。

 CMS導入によりコンテンツの更新頻度が上がったことなどにより町のWebサイトへのアクセスも増加した。2008年3月からの約2カ月半で,従来の数年分に相当する11万以上のアクセスがあった。

 国立情報学研究所 社会共有知研究センターでは,2008年8月に次のバージョンである「NetCommons 2.0」のリリースを予定している。WYSIWYGによるコンテンツ編集や,Ajaxによるモジュールのドラッグ&ドロップによる配置などが可能になる。1.XはXOOPSをベースにしていたが,2.0では「柔軟性などを向上させるために1から書き直す。PHPとPHP上のWebフレームワークであるmapleを採用する」(国立情報学研究所 教授 社会共有知研究センター長 新井紀子氏)という。

 2007年には6月にはNetCommonsの普及を目的にNPO法人コモンズネットが設立され,参加企業によるNetCommonsのビジネス展開も始まっている。2008年秋にはユニアデックスがNetCommonsのSaaSによる提供を開始する予定だ。

◎関連リンク
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NetCommons公式サイト